トランプ氏訴追の可能性も、退任後 元特別検察官

2019/7/25 1:02
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24日、米議会で証言するモラー元米特別検察官=AP

24日、米議会で証言するモラー元米特別検察官=AP

【ワシントン=永沢毅】2016年米大統領選へのロシアの介入疑惑を捜査したモラー元米特別検察官は24日、米議会で初の証言に臨んだ。トランプ大統領が捜査を妨害した疑惑を巡り、自身が率いた捜査でトランプ氏の無罪が証明されたわけではないとの立場を重ねて表明。同氏が大統領退任後に訴追される可能性を排除しなかった。

証言は米下院司法委員会で米東部時間24日午前8時半(日本時間同午後9時半)に始まり、捜査妨害に関する質疑で3時間超に及んだ。下院情報特別委員会でもロシアによる選挙介入に関して証言する。内容次第ではトランプ氏の弾劾論が再燃する可能性もある。

米司法省は4月中旬、モラー氏が作成した448ページに及ぶ捜査報告書を一部を除いて公表した。モラー氏は、ナドラー司法委員長(民主)による「大統領が退任後に捜査妨害で訴追される可能性はあるか」との質問に「その通りだ」と答えた。

報告書はトランプ氏の捜査妨害について、同氏がモラー氏の解任を探った行為など10件の事例を検証。「全く妨害していないと自信を持っていえるなら、そう言及しただろう。そう判断を下さなかった」と明記した。この日の証言でもモラー氏は「大統領の無罪が証明されたわけではない」と改めて明言した。

モラー氏は5月末の声明で、司法省にある「大統領が現職のうちは起訴できない」との内規に触れ、大統領を罪に問うのは「検討の選択肢になかった」とした。「大統領でなければ、起訴に相当する行為をしたと認定できた」との含みがあるとの見方が出ていた。

捜査妨害については、バー司法長官が3月下旬の捜査終了後に4ページの文書を公表し「疑惑は証拠不十分」と結論づけ、「トランプ氏は無罪」とする世論を形成した。疑惑の追及を議会に委ねるべきだとの考えを示唆していたモラー氏は証言で「司法長官の行動にコメントはしない」と述べた。

トランプ氏は証言が始まる直前に「共謀はなかった。捜査妨害もなかった!」とツイートした。開始後も民主批判のつぶやきを続けた。米司法省は22日、モラー氏に証言内容は公開した報告書の範囲にとどめるよう求める文書を送っている。

米CNNの世論調査によると、モラー氏の報告書を全文読んだ割合は3%、ある程度目を通したのも10%にすぎない。同氏が議会で報告書を説明するだけでも世論に影響するとの指摘もある。

モラー氏は17年5月の特別検察官への就任後、公の場で発言したのは退任直前の19年5月末の1回だけ。このときは質問を受け付けず、一方的に文書を読み上げた。「報告書がすべてを物語っている」などと主張し、当初は議会証言に応じる姿勢をみせなかった。その後に民主が主導する下院が証言を強制する召喚状を出し、出席する方針に転じた。

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