日本電産、ADAS売上高25年度に1000億円

2019/7/24 19:13
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日本電産の自動車関連事業への傾斜が加速しそうだ。24日に先進運転支援システム(ADAS)関連の売上高で2025年度に1000億円を目指すと発表した。周囲の障害物を検知するレーダーなどを事業の柱に育てる。家電や産業用のモーターは不調だったが、電気自動車(EV)用駆動モーターの受注が中国で急増している。車載事業を柱に育て連結売上高2兆円を目指す。

日本電産は車載事業を稼ぎ頭にあげる。

ADAS関連のレーダーは、高齢者による交通事故の増加や安全運転支援技術や自動運転技術の発展に伴って需要が増えている。永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は「日本だけでなく、欧米、中国からも受注が増えている」と話した。

日本電産は4月にはオムロンの車載事業を約1000億円で買収すると発表しており、車載事業を稼ぎ頭に育てる方針を示している。

日本電産はすでにレーダーとカメラを一体化した小型・軽量の障害物検知装置を開発中だが、オムロンの持つ技術と組み合わせれば、より安全性の高い障害物検知のシステムを作れるとみる。

車載事業は将来掲げている「21年3月期に事業全体で連結売上高2兆円」という目標達成のカギを握る中核事業となる。車載事業では、新規のM&A(合併・買収)も加えて7000億~1兆円に伸ばす計画だ。19年3月期の車載関連の売上高は約3000億円だったが大幅に伸ばす。

中国で急速な普及を見込むEVも成長を支える。EV駆動用のトラクションモーターでは中国で相次いで工場を建設するなど投資を加速してきた。4月には中国の浙江省で、年60万台以上のトラクションモーターの生産能力がある工場が稼働した。

19年7月時点でのトラクションモーターの19年度から21年度にかけての受注数量は、19年4月時点と比べて約2倍の90万台になっていることを明らかにした。

車載事業では計画を上回る新規受注により開発費の投資が先行しているが、早ければ20年度にも黒字化を見込んでいる。

同日発表した19年4~6月期の連結営業利益(国際会計基準)は前年同期比39%減の279億円だった。純利益は前年同期比91%減の34億円だった。コンプレッサーメーカー買収の審査に伴う、一部事業の売却が影響した。車載モーターの受注が中国で急増したが、先行投資の費用がかさんだうえ円高も利益を押し下げた。

ただ、20年3月期の業績見通しは変更しなかった。純利益で22%増の1350億円となる見込み。売上高は12%増の1兆6500億円を想定する。既存事業のコスト削減やオムロンの車載事業買収に伴うシナジー効果などが業績を押し上げる。

(京都支社 福冨隼太郎、大阪経済部 黒田弁慶)

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