かんぽ不正、外部から究明 元検事3人の調査委

2019/7/24 22:46
保存
共有
印刷
その他

日本郵政は24日、傘下のかんぽ生命保険で多数の不適切販売が見つかった問題で、外部の有識者による特別調査委員会を設けたと発表した。元検事の弁護士3人で構成し、保険料の二重徴収などの実態を厳正に究明してもらう姿勢を示す。同委は再発防止策も提言する。

記者会見で頭を下げる、かんぽ生命保険の植平社長(右)と日本郵便の横山社長(10日、東京都千代田区)

委員長は元最高検察庁次長検事の伊藤鉄男弁護士が就いた。三菱自動車がリコール(回収・無償修理)問題で設けた改革諮問委員会の委員やレオパレス21の施工不良問題に関する外部調査委員会の委員長を務めた。

元大阪高検検事長の寺脇一峰弁護士と元東京地検特捜部検事の早川真崇弁護士も調査委に加わった。日本郵政の担当者は「検察で活躍し、事実解明に大きな知見があり、弁護士として企業不祥事に対応してきた3人にお願いした」と述べた。調査委は生命保険販売の実務に詳しい外部の専門家をアドバイザーに招くことも検討している。

かんぽ生命では新旧契約の重複加入による保険料の二重徴収や顧客を無保険の状態に置くなど9万件を超える契約で顧客に不利益を与えた疑いがある。同社と販売委託先の日本郵便はこれから契約時の状況を顧客や販売員に聞き、必要に応じて契約を取り消したり前の契約に戻したりする。調査委は両社が実施する事実確認の範囲や方法の妥当性も検証する。

日本郵便の横山邦男社長は10日の記者会見で「変わっている現場に目標水準が合わなくなっていた」と説明した。調査委は低金利で貯蓄性の終身保険が売りにくくなっているのに営業目標を大きく見直すことがなかった理由や、現場の販売ノルマが強まった経緯などの解明をめざす。年内に調査報告書をまとめる。

郵政の担当者は「調査委の結果を受け取ったうえで、グループとして責任がどこにあるか適切に判断する」と述べた。

かんぽ生命には2900万件の契約がある。不適切だった可能性があると判明したのは過去数年間に契約や解約をした9万件超だが「不利益を与えた契約がほかにないとは言いきれない」(郵政グループ幹部)。まず不適切な販売の全体像をつかむ必要がある。

郵政グループではゆうちょ銀行でも高齢者に投資信託を勧誘する際に健康確認を怠るなどの社内ルール違反が発覚した。郵便局が受託するアフラック生命保険などの保険販売でも不適切な事案があったのではないかと疑念が持たれている。ただ調査委が調べるのは郵便局が手がけたかんぽ生命の契約だけだという。

郵便局に委託する民間生保は独自に契約実態の調査に乗り出した。アフラックは保険料の二重払いや無保険状態になった事例などを抽出して調べる。日本生命保険や住友生命保険は契約データなどに基づき不適切な事例がなかったか確認する。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]