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降級制度廃止で3歳馬活躍 変わる夏競馬

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2019/7/27 5:30
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3歳馬の活躍も目立つ。年長馬との混合戦が始まる6月から夏の中京と福島の開催が終わる7月下旬までの1勝クラスでの連対率(2着以内に入る割合)は、19年は20.0%と4歳馬の11.4%を大きく上回っている。18、17年は3歳が18.8%、17.6%、4歳が15.3%、15.8%だった。

2勝クラスはさらに顕著で、19年の3歳馬の連対率は41.5%と4歳の15.4%を圧倒している。16~18年は3歳馬は23.6~25.9%、4歳馬が28.2~30.2%と4歳馬が上回っていた。3歳馬は夏の間、年長馬より3キロ以上軽い斤量で走れる有利さもある。強い降級馬がいなくなり、レースは3歳馬を中心に回るようになった格好だ。

こうした効果がある一方、そのクラスで頭打ちになった馬は降級もできず、厳しい状況から脱却できなくなった。実は、こうした馬を早めに退出させ、代わりに2歳馬を入れて馬の回転を早めようというのも、降級廃止の大きな狙いの一つである。

大手牧場・馬主はすでに変化に対応

馬の入れ替えを早める施策は今年、降級廃止のほかにも、複数取り入れられている。代表的なものが、3歳未勝利戦の終了時期の前倒し。昨年までは9月の阪神と中山開催の最終日まで3歳未勝利戦を実施していたが、19年からは夏の新潟、小倉、札幌開催の最終日(19年は9月1日)までと、1カ月ほど短くした。9着以下が3回続いた3歳以上の未勝利馬は2カ月間、平地競走に出走できないルールもつくられた。

降級廃止で1勝クラス、2勝クラスでは3歳馬が好成績を上げている(14日、中京競馬場)

降級廃止で1勝クラス、2勝クラスでは3歳馬が好成績を上げている(14日、中京競馬場)

一方で、2歳新馬戦の開始は12年から日本ダービーの翌週に前倒しされ、6月初めから始まるようになった。JRAは近年、重賞競走の数を増やすなど、2歳戦の充実を進めており、若駒の早期デビューを促している。

ノーザンファームなどの大手牧場はこうした流れにいち早く対応している。1、2月という早生まれの馬の生産を以前より増やしたほか、早期にデビューできるよう育成技術の向上も図り、競走馬生活の早いタイミングで稼ぐ仕組みを作り出している。

ただ、こうした変化に速やかに対処できるのは大きな投資が可能な大手牧場や馬主に限られる。頭打ちになっていた馬が降級して、再度、賞金を稼いでくれた18年までの制度の方が助かるという馬主は多い。未勝利戦の終了時期の前倒しなど、他の施策でも同様のことがいえ、生産者や馬主の中での格差拡大につながっていきそうだ。

大手牧場との関係がそれほどない、栗東のある中堅調教師は語る。「今年は一気にいろいろな制度が変わりすぎ。本来は馬の成長に合わせてレースに使いたい。すぐに対応できる牧場や馬主、調教師ならいいが……。うちもやり方を考えないとダメなのだろう」。馬を預かる現場でも格差拡大への懸念は広がっている。

(関根慶太郎)

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