2019年9月17日(火)

出荷制限全面解除に足踏み 福島沖漁業、検体数不足で

2019/7/24 11:03
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東京電力福島第1原子力発電所事故後に始まった福島県沖の44種の魚介類に対する出荷制限が、対象種が残りわずか5種まで減りながらも全種での解除に向けて足踏みが続いている。

解除には放射性物質の検査で一定期間、基準値を下回る必要がある。残る対象種は元々漁獲量が少なく、検体が集まらないことが要因。漁業関係者は「実態に合わない」と解除の運用上のルールを緩和するよう求めるが、国は風評被害への懸念から慎重姿勢だ。

「出荷制限ゼロは福島の悲願」(福島県漁業協同組合連合会幹部)。原発事故前「常磐もの」と呼ばれ人気だった福島県沖の魚は、風評被害のため安値で取引される傾向が続いている。主要魚種だったスズキの出荷制限が昨年解除され、実際の漁への影響は小さいが、イメージ回復には全面解除が望ましい。

5種はサクラマスやカサゴなどで、漁獲量が少なく以前から県の漁獲統計の対象にすら含まれていなかった。

制限解除のルールは魚種で異なるが、複数の海域で対象種の検体を調べ、基準値を大幅に下回る状態が1カ月以上続くことが要件。過去に基準値を超過した検体が出た海域では、必ず条件を満たさなければならない。

検体数が足りないため、県は調査船を出して対象種を探すほか、漁師に検体の持ち込みを呼び掛けている。

出荷制限を所管する厚生労働省の担当者は「安易な変更は逆に風評につながる恐れがある」と話している。〔共同〕

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