ショック時の逃避先「金より日本円」 米ゴールドマン
【ニューヨーク=宮本岳則】相場ショック時のマネー逃避先は金より日本円が有利――。米ゴールドマン・サックスが顧客向けリポートでこう推奨し、金融市場で話題になっている。伝統的に日本円や金は安全資産として見なされ、投資家がリスク回避的になると買われやすくなる。金は足元で約6年ぶりの高値圏にあり、円は相対的に割安という。
米国株をはじめ世界の株式市場は、金融緩和期待から高値圏にある。ただ世界景気の減速で、投資家の間で割高感が意識されている。英国の欧州連合(EU)離脱問題や中東情勢など地政学リスクの高まりで、ショック時や弱気相場に入った場合の資金逃避先が議論になっている。
ゴールドマンは金を買う権利(コール・オプション)の価格が、円のコール・オプション価格に比べて割高になっていると指摘し、円が相対的に有利という。
金価格は足元で急騰している。国際指標となるニューヨーク先物は18日に1トロイオンス1440ドル台をつけるなど、2013年以来の高値圏にある。世界最大のヘッジファンド、米ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏が今月に入り、金への投資を「推奨」したことも話題になった。