高血圧薬で価格カルテル疑い 製薬2社を立ち入り検査 公取委
高血圧治療薬の販売を巡り、価格カルテルを結んだ疑いが強まったとして、公正取引委員会は23日、製薬会社の日本ケミファと鳥居薬品の関係先を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立ち入り検査した。公取委は収集した資料の分析や、関係者への聞き取りを重ねて実態解明を急ぐ方針。
2社は「公正取引委員会の検査に全面的に協力する」などとコメントをした。
関係者によると、2社は遅くとも数年前から、高血圧治療薬「カルバン錠」の卸売価格について価格カルテルを結んだ疑いが持たれている。
カルバン錠は高血圧の改善に使われる内服薬。心拍数の低下、血管の拡張などの作用があり、1995年に販売が始まった。日本ケミファが製造し、同社と鳥居薬品が販売している。市場規模は年間数億円程度という。
薬の販売を巡っては、公取委は1月に後発医薬品で価格カルテルが結ばれたとして、日本ケミファとコーアイセイ(山形市)を独禁法違反容疑で立ち入り検査。6月にはコーアイセイに対し、課徴金納付と再発防止の排除措置を命じた。日本ケミファの違反も認定されたが、違反を自主申告した経緯から行政処分を免れていた。