2019年8月24日(土)

最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 20,710.91 +82.90
日経平均先物(円)
大取,19/09月 ※
20,720 +100

[PR]

業績ニュース

「支配株主として無責任」アスクル独立役員会がヤフー批判
親子上場の統治問題浮き彫りに

株主総会
2019/7/23 20:30
保存
共有
印刷
その他

アスクルの戸田一雄社外取締役など独立社外役員が23日、筆頭株主のヤフーが岩田彰一郎社長の再任に反対している件で会見を開いた。独立役員中心の委員会やヤフー出身の取締役も出席した取締役会で決めた人事を、ヤフーが資本の論理で覆そうとしていることに「支配株主として無責任だ」と批判した。日本特有の親子上場の問題が浮き彫りになっている。

記者会見で記者の質問を聞くアスクルの戸田独立社外取締役(23日、東京都中央区)

アスクルの取締役は10人。社外は半数の5人だが、ヤフーの取締役と2位株主のプラス(東京・港)の社長が含まれ、独立役員は松下電器産業(現・パナソニック)元副社長の戸田氏を含め3人だ。

任意の機関として岩田社長と独立取締役3人、顧問弁護士など計6人がメンバーの指名・報酬委員会を設置し、取締役の選解任などを議論している。5月8日に個人向けネット通販事業の再構築計画を実行するため現経営陣が継続すべきだと、8月2日に開く株主総会の取締役候補を委員会で決議した。

6月5日の取締役会では委員会が取締役候補について説明し、ヤフー出身の2人の取締役を含め、異論は出なかったという。ただその後、6月末にヤフーの川辺健太郎社長が岩田社長の退陣を求めたとしている。

両社の対立には欧米ではほとんどみられない日本企業独特の「親子上場」の問題がある。

子会社に親会社以外の一般株主がいる親子上場は、親会社がほぼ決められる経営方針について、他の株主と利益が相反する懸念がある。

指名・報酬委員会は独立役員が中心。委員長を務める戸田氏は、委員会が岩田氏を取締役候補にすることを決めたのに、実質的な決定権を持つ1、2位株主が岩田社長の再任に反対することは「上場会社のガバナンス(企業統治)を無視している」と強調した。

ヤフーとアスクルについて慶応義塾大学の齋藤卓爾准教授は「資本関係だけでつながっているような形では、もめた時に解決しきれないということが鮮明になった」と指摘する。早稲田大学の宮島英昭教授は「資金調達の透明性が高くなるほか、活発なM&A(合併・買収)につながる」と親子上場のメリットを示しつつ「独立取締役を機能させなければならず、第三者の委員を置くなどの形も必要になる」と体制整備の重要性を説く。

ヤフーは岩田社長の再任に反対する理由として、業績悪化の責任をあげている。ヤフーとプラスが再任に反対すれば、総会で否決されることは確実だ。後任の社長についてはヤフーから派遣はせず、アスクルの独立性を保つとしている。

戸田氏は業績低迷の責任を指摘する株主の声は重く受け止めるべきだと理解を示しながらも、ヤフーに対し総会では岩田社長を含めた取締役候補者を選任すべきで「(社長交代などが)必要であれば来年に向けて、指名・報酬委員会でヤフーの意見も踏まえて議論するのが日本の正しい企業のやり方だ」と訴えた。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップマーケットトップ

読まれたコラム

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。