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W杯2次予選 ヤマは10、11月のアウェー連戦

サッカージャーナリスト 大住良之

ワールドカップ・ロシア大会の決勝戦からわずか1年。早くも次回大会(2022年カタール)のアジア予選がスタートする。9月5日に開幕する2次予選だ。40チームを5チームずつ8組に分け、ホームアンドアウェーで対戦。各組1位(計8チーム)と2位の中で成績の良い4チーム、計12チームが来年9月から21年10月まで行われる3次予選(=最終予選)に進出する。

2022ワールドカップ2次予選F組日程
H/A対戦相手
1201995日本の試合なし
210Aミャンマー
31010Hモンゴル
415Aタジキスタン
51114Aキルギス
619日本の試合なし
72020326Hミャンマー
831Aモンゴル
964Hタジキスタン
109Hキルギス

日本(FIFAランキング28位)は2次予選F組。ミャンマー(138位)、モンゴル(187位)、タジキスタン(120位)、そしてキルギス(95位)と対戦することになった。

このなかで最近対戦したのは、昨年11月に豊田スタジアムで親善試合を戦ったキルギス。山中亮輔、原口元気、大迫勇也、中島翔哉の得点で4-0の勝利を収めている。またタジキスタンとは14年ワールドカップの2次予選で対戦し、ホームで8-0、アウェーでは4-0と連勝した。ミャンマーとは1994年以来対戦がなく、モンゴルとは初対戦となる。

強豪国不在もアウェーに注意

こうしたことから「天国組」という報道も少なくない。たしかに、イラク、ウズベキスタン、シリア、北朝鮮など過去に苦戦を強いられた相手が同組に入らなかったのは幸運だった。また、アウェーのコンディションはどこも厳しいが、ときに気温40度という危険な状況で試合をしなければならない中東の国々が1つもなく、東南アジアと東アジア、そして中央アジアだけのグループになったことも好材料と言える。

しかしだからと言って、日本が楽勝できると思ったら大間違いだ。アウェーで戦う4試合は、国内でのホームゲームとは大きく違うからだ。

タジキスタンとは、11年10月に大阪・長居で、11月にドゥシャンベで対戦した。相手の特徴を見たアルベルト・ザッケローニ監督が長身FWのハーフナー・マイクを起用。これが当たって大阪では8-0と大勝した。しかし1カ月後、ドゥシャンベでの戦いには大きな「罠」が待っていた。ピッチ・コンディションの悪さだ。

試合の前々日に大雪が降った。その日から懸命な雪かき作業を行い、試合日にはいちおう乾いたが、ところどころ砂地の出たピッチは軟らかい上に凹凸だらけで、日本はパスワークの威力を消された。前半の終わりになんとか1点をもぎ取り、後半は落ち着いて3点を加えたが、アウェーの「罠」にはまって勝ち点を落としても不思議のない試合だった。

雨期の後半に当たり、猛烈な蒸し暑さが予想される9月のミャンマーに続き、10月にはタジキスタン、11月にはキルギスとのアウェーゲームが待ち構えている。モンゴルとのアウェーゲームは、最高気温が氷点下という来年の3月だ。

今回の2次予選のヤマは、間違いなくタジキスタン、キルギスとのアウェーゲーム2連戦だ。試合が行われる予定のタジキスタンの首都ドゥシャンベ、キルギスの首都ビシュケクはともに大都市だが、競技場は古く、ピッチ状態は期待できない。日本代表の選手たちは、欧州や日本で、練習でも試合でも最高クラスのピッチでしかプレーしていない。荒れたピッチで本来のリズムを壊し、思わぬ結果を招くこともある。

戦闘力を持つタジキスタン、キルギス

それだけではない。タジキスタン、キルギスとも非常に戦闘力をもったチームであることを忘れてはならない。

タジキスタンの監督はウズベキスタン人のウスモン・トシェフ(53)。昨年11月にタジキスタンの23歳以下(U-23)代表監督に就任、その後A代表も担当するようになった。ことし3月に行われたアジアU-23選手権予選では、インドに2-0で勝った後、ウズベキスタンと0-0。得失点差で決勝大会進出を逃したが、中央アジア最大の強豪国であるウズベキスタンとアウェーで互角の戦いを見せた。A代表では、今月インドで行われた国際大会に出場し、インドに4-2、シリアに2-0で勝ち、北朝鮮とは0-1。決勝戦では再び北朝鮮に0-1で敗れたが、トシェフ監督が守備組織の整備を進めているのは間違いない。

サッカーW杯カタール大会アジア2次予選の組み合せが決まり、取材に応じる日本代表の森保監督=共同

キルギスは昨年11月の試合は日本の完勝だったが、ことし1月のアジアカップ(アラブ首長国連邦)では中国に1-2、韓国に0-1と善戦。そしてフィリピンを3-1で下してベスト16進出を果たし、決勝トーナメント1回戦でホスト国UAEと延長戦にもつれる激戦を演じた。

エースのFWビタリー・ルクス(30)は6歳からドイツで育ち、現在ドイツ4部のSSVウルムに所属。アジアカップのフィリピン戦ではハットトリックをマークした。

14年から代表監督を務めるロシア人のアレクサンドル・クレスティニン監督(40)は、守備一辺倒ではなく、果敢に人数をかけて攻め上がるチームをつくり、それがアジアカップでの好成績につながった。鋭いカウンターと決定力をもつキルギスが、この2次予選で最も警戒を要するチームであるのは間違いない。とくに彼らが過去3年間負けていないビシュケクでの試合は要注意だ。

ワールドカップ予選は1試合1試合が厳しい戦いになる。この2次予選を乗り切る最大のポイントは、10月のタジキスタン戦、11月のキルギス戦を最大の集中力で戦い、どんな内容でもしっかりと勝ちきることに尽きる。

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