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つみたてNISA、成績回復で含み益(投信観測所)

2019/7/25 12:00
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「老後2000万円問題」の余波で、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)への関心が急速に高まってきたようだ。つみたてNISAは年間40万円の非課税枠の範囲で毎月や毎日など、定期的に一定額で投資信託を購入する「積み立て投資」を前提とした制度で、個人が長期にわたる資産形成を安心して行えるよう、投資対象となるファンドは運用コストの信託報酬に上限値を設定するなど、金融庁が定めた厳しい適合条件が課されている。

■運用成績、急回復

気になる運用成績の状況はどうか。足元では日本株相場が軟調になるなど、不安定な面もあるがつみたてNISAの運用成績は昨年末に比べ、相当改善してきている。米中の貿易摩擦に端を発した世界的な株価下落により昨年末には軒並み元本割れしていたのが、今年に入ってから急回復。海外株式型やバランス型ファンドを中心に含み益が目立つようになった。データで確認してみよう。

つみたてNISAの適合認定を受けたファンドを昨年1月から毎月購入した場合について、今年7月19 日時点と昨年末時点の積み立て投資リターンを計測。そのうえでファンドを主な投資対象別に国内株式、海外株式、バランス型、日本株ETFの4種類にグループ分けし、各グループでのリターンの平均、最高、最低を集計した結果が表Aだ。昨年1月末に一括投資した時のリターンも併せて計測し、比較した。

平均リターンを見ると、昨年末には全ファンドが元本割れし、全体の平均で9%近く下落していたのに対し、7月にはプラスリターンの1.1%まで回復。国内株式型ファンドはまだ元本割れしているが、バランス型や海外株式型ファンドの堅調さが目立つ。国内REIT(不動産投資信託)相場の堅調さや、米国株を代表する株価指数のダウ工業株30種平均が今年7月に史上最高値を更新するなど米国株の好調さを背景としている。

表Bに主な投資対象別の積み立てリターン上位ファンドをピックアップした。国内株式型では「つみたて日本株式(日経平均)」をはじめとする日経平均株価連動型インデックスファンドのリターンがTOPIX(東証株価指数)連動型を上回り、海外株式型では欧州株で運用する「フィデリティ・欧州株・ファンド」や為替ヘッジしながら海外先進国株指数への連動を目指す「たわらノーロード 先進国株式<為替ヘッジあり>」が好成績を収めた。バランス型では「日本株式・Jリートバランスファンド」など国内REITにも投資するインデックスファンドが積み立てリターンの上位に入っている。

いずれも昨年末には大きく元本割れしていたのが、7月には大きく改善しているのが分かる。日本株ファンドでは一括投資と比べ積み立て投資の下落率の方が小さいのも特徴的だ。同じ時期に行った一括投資リターンを必ず上回るとは限らないが、積み立て投資には時間分散によるリスク低減効果もある。

■ものをいう「ほったらかしと継続」

ただ、表の上位には入っていないファンドのうち、国内株式型やバランス型ではアクティブ(積極)運用型のファンド、海外株式型では新興国株式インデックスファンドの下落率は大きめだ。損失がこたえる人は、購入ファンドを身の丈にあった低リスクのファンドに替えてみるのも一案だが、将来の回復や上昇を前提とする限り、長期の積み立て投資の全般的な傾向として、価格変動リスクの高いファンドほど、収益が拡大しやすい傾向がある点は考慮に入れておきたい。値下がりした時に安い値段でより多くの口数を買えるためだ。

積み立て投資でも、将来の値動きは不確実というリスクを取って投信を購入しなければリターンは得られない。そうした中でも、積み立て投資の投資手法としての大きな特徴は、高値づかみを避けるために、投資タイミングを計らず決まった日に一定額を機械的に購入し続ける点にある。下がった局面でも淡々と買い続け、将来の値上がりを辛抱強く待つ「ほったらかしと継続」がものをいう手法だ。

金融庁の公表データによると、今年3月末時点のつみたてNISA開設口座数は127万あまりで昨年末に比べ22.9%の増加。買い付け金額は累計約1332億円に達し同43.1%増と今年に入ってから3カ月間で大幅に伸びている。一人当たりの累計買い付け金額も昨年時点の9万円弱から10万円強に増えた。もっとも昨年末時点では開設口座のうち、実際に投資した口座数は6割弱にとどまっていた。「老後2000万円問題」を受けてコツコツ投資による資産形成がじわり広がりつつある中、稼働率も上がってきたのか。今後は口座数の動向に加え、稼働率にも注目が集まりそうだ。

(QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

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