2019年8月26日(月)

米歳出・債務上限上げ、与野党合意 財政悪化は必至

トランプ政権
2019/7/23 6:10 (2019/7/23 12:43更新)
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トランプ氏は国防費の増額を重視している(22日、ワシントン)=AP

トランプ氏は国防費の増額を重視している(22日、ワシントン)=AP

【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は22日、今後2年間の連邦政府の歳出と債務の大枠について与野党で合意したと発表した。米メディアによると、2020会計年度(19年10月~20年9月)と21会計年度の歳出上限を計3200億ドル(約35兆円)引き上げるほか、債務の上限も引き上げる。同案が成立すれば金融市場の混乱要因は取り除かれるが、米財政の悪化は避けられない。

ホワイトハウスと与野党の議会指導部が合意した。上下院が可決し、トランプ氏が署名すれば成立する。

米議会は債務の膨張を防ぐため、社会保障費などを除いた「裁量的経費」について10年間の上限を定める予算管理法を11年に成立させた。これまで2年ごとに特例法で上限を引き上げてきた経緯があり、足元で20~21年度の議論を進めていた。

報道によると、合意案は20~21年度の「裁量的経費」のうち、国防費と非国防費を同額ずつ引き上げる。国防費は共和党が、教育など非国防費は民主党がそれぞれ増額を求めていた。20年の大統領選を見据え、バラマキ色の強い妥協案で両党が合意した。

トランプ氏は国防費の増額について「(米軍増強のための)真の妥協だ」と評価した。政権・与党では財政健全化を重視するタカ派が歳出削減を求めていたが、景気減速につながる歳出減には慎重な声が多い。

一方、野党・民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は共同声明で「内政の優先課題にしっかり資金を手当てできて喜ばしい」との声明を発表した。教育や公共事業費など非国防費を積み増せば支持者へのアピール材料になる。

18年2月に18~19年度の歳出上限を計3千億ドル押し上げることで合意したが、今回はそれをさらに上回る。ロイター通信によると、20年度の歳出は1兆3700億ドルと、19年度と比べて500億ドル増える見通しだ。

あわせて債務上限は21年7月末まで一時停止する。法律で凍結していた同上限は19年3月に復活し、米政府は国債の新規発行が難しくなっていた。財務省によると、9月上旬にも政府資金が枯渇する恐れがあり、与野党は8月の議会休会前の合意を目指して協議を急いでいた。

今回の合意案が成立すれば、歳出の急減や米国債のデフォルト(債務不履行)など経済や金融市場に混乱をもたらすリスクはひとまず回避される。ただ国債の増発は避けられず、1兆ドルに達する財政赤字のさらなる拡大と22兆ドルに上る債務の膨張が重荷となる。

米国では「国境の壁」の予算を巡る対立で、今年1月にかけて過去最長の政府閉鎖が起きた。歳出の大枠が決まっても詳細の審議はこれからだ。予算の中身を巡り、与野党の駆け引きが再び激しくなる可能性がある。

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