2019年8月19日(月)

謎の白シャツ集団、香港デモ参加者を襲撃

中国・台湾
2019/7/22 18:06
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22日未明、白いTシャツ姿の集団が香港のデモ参加者らに暴行した=ロイター

22日未明、白いTシャツ姿の集団が香港のデモ参加者らに暴行した=ロイター

【北京=羽田野主、香港=木原雄士】香港の「逃亡犯条例」改正案をめぐる抗議活動で、一部の若者らは21日、中国政府の出先機関に初めて抗議した。習近平(シー・ジンピン)指導部は中国本土への混乱波及を警戒し、取り締まりを強化する方針だ。同日夜にはデモ参加者が素性の分からない白いTシャツを着た集団から暴行を受け、45人が負傷した。

「光復香港、時代革命(香港を取り戻せ、革命の時だ)」。21日夜、香港にある中国政府の出先機関「中央駐香港連絡弁公室」の前に集まった約千人の若者はこう叫びながら建物に卵を投げつけ、中国の国章に黒い液体をかけた。スローガンは中国からの独立を志向する運動家の梁天琦氏が使っていたものだ。同氏は暴動罪で収監中だが、急進的な若者にカリスマ的な人気を持つ。

「一国二制度の原則の限界ラインに触れるもので絶対に認めない」。中国政府の香港マカオ事務弁公室はただちに談話を出して非難した。中国共産党の機関紙、人民日報も22日付1面で「中央政府への権威への公然とした挑戦だ」と批判した。

国章を汚すのは最大級の侮辱行為にあたる。中国外務省の耿爽副報道局長は22日の記者会見で「香港政府が必要な措置をとって中央政府の機関の安全を守り、犯罪分子を処罰することを断固支持する」と述べ、香港政府に取り締まり強化を求める考えを示した。

ただ、習指導部も一段の強硬措置には踏み込みにくいようだ。18日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは中国政府は人民解放軍の投入は検討していないと伝えた。軍を関与させれば、欧米に批判の口実を与えかねないためだ。求心力が低下した林鄭月娥・行政長官の進退をめぐっても、共産党内に「習氏の権威に傷をつける懸念があり、辞めさせられない」との見方がある。

一方、新界の鉄道駅で白シャツの男たちがこん棒などを持ち、デモ参加者に次々と襲いかかる映像は香港市民に衝撃を与えた。ネット上では地元ギャングや香港の親中派議員の関与を疑う声が出ているが、真相はわかっていない。

林鄭氏は22日に記者会見し「暴力はいかなる問題も解決しない」と事態の沈静化に努めた。過激な抗議や暴力の応酬が止まらなければ市民の分断が一段と深まりそうだ。

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