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西武・中村、「意思」の力が生み出した400号
編集委員 篠山正幸

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2019/7/23 6:30
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史上5位のスピード記録となる出場1611試合目にしての400号を放った西武・中村剛也(35)。パワー、技術が不可欠なのはもちろんだが、記録を可能にした一番の要素は、どんなときでも半端なスイングはしない、という「意思」だったようにも思える。

19日、延長にもつれこんだ試合に、中村が一振りでけりをつけた。十一回1死無走者で、オリックス・増井浩俊の球をとらえて左翼へ。打った瞬間にそれとわかる美しい弾道の本塁打だった。6月1日に通算400号を達成した巨人・阿部慎之助に続き、20人目となる記録に到達した。

19日のオリックス戦、中村は通算400号となる一撃で延長戦にけりをつけた=共同

19日のオリックス戦、中村は通算400号となる一撃で延長戦にけりをつけた=共同

平成を代表する本塁打王は、一方で4度の三振王となっている。三振か、本塁打か……。その打席は試合の展開にかかわらず、常にのるかそるかの緊張をはらみ、これぞプロ、という楽しさをもたらしてきた。

■衝撃を与えた大谷との勝負

その白眉といえるのが、日本ハムのエースだった大谷翔平(米エンゼルス)との戦いだった。

2015年7月24日、西武は日本ハムに大敗したが、西武プリンスドーム(当時)に詰めかけたファンは衝撃の2発を、その網膜に焼き付けることになった。

この年の「投手大谷」は絶好調で、10勝1敗という数字をひっさげての登板だった。

だが、中村のスイングにひるむところはない。まず四回。スライダーをとらえて、高い弾道で左翼席に運ぶ。このソロが41人目の通算300号かつ281人目の1千安打となった。

続く五回の打席は1死満塁で回ってきた。初球の156キロを空振りしたあとの2球目は、この日最速の159キロを計測した。中村もやや差し込まれ、こすったような当たりになった。上がり過ぎ、と思われたが、打球は右翼フェンスを越えた。大谷の球速と中村のスイングスピード。力と力がぶつかりあい、特異な軌跡のアーチが描かれた。

大谷は「真っすぐでいける、という判断だったが……。打ち損じなくあそこまで運ぶ能力に怖さを感じた」とのコメントを残している。振り返れば、こうした勝負にもまれて、大谷はメジャー挑戦の下地をつくっていったことにもなる。

中村にとって、これが通算15本目の満塁弾だった。王貞治さん(巨人)と並ぶ、プロ野球タイ記録。この年、さらに1本を加えて単独トップに立った中村は、今年5月、6月にも満塁弾を放ち、日本記録を18本まで伸ばしている。

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