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竹本葵太夫、歌舞伎義太夫で2人目の人間国宝に

1980年に亡くなった竹本雛太夫に続き、竹本葵太夫が歌舞伎義太夫として2人目の重要無形文化財保持者(人間国宝)に選ばれた。「今年で初舞台から40年だが、この世界で40年は大したことがない。これからも日々たゆみなく精進し、認定にふさわしい実演家になりたい」と気を引き締める。

1960年に東京・伊豆大島で生まれ、島で育った。テレビで見た歌舞伎が頭から離れず、親戚にせがんで初めて歌舞伎座を訪れたのが中学2年のとき。「太夫のパンチの効いた語り口、三味線の太い音に心ひかれて」歌舞伎義太夫を目指し、高校卒業と同時に国立劇場の歌舞伎音楽研修生になった。歌舞伎や文楽などの伝統芸能を対象とした国立劇場の研修事業は1970年に始まり、研修修了生では初めての人間国宝となる。

歌舞伎義太夫は義太夫狂言を上演する際、舞台上手で三味線の演奏に乗せて物語を語る。「俳優によって演出が変わるし、同じ俳優でも体調で変わる。それを察知してやりやすくアレンジをする。俳優から『やりいい』と言われるのが一番うれしい」と、あくまで役者を支える役目に徹してきた。若い頃から市川猿翁や中村歌右衛門に取り立てられ、最近は中村吉右衛門の公演で重用されている。平家物語を題材にした「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」などの重厚な時代物を情感たっぷりに演じて観客を魅了してきた。

若いころ文楽三味線の先代の鶴沢燕三から「義太夫をやるなら文楽が本格。考え直してはどうか」と親身に誘われたこともあるが、「歌舞伎が好き」との気持ちを貫いた。指導を受けた文楽の竹本源太夫について「畑違いだが、良くしてくださった。これで少しご恩返しができたのでは」と涙ぐみながら振り返る。来年で60歳。「後進とともに前進したい」と抱負を述べた。

(佐々木宇蘭)

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