ソフトバンク、5Gと高精度測位をスマート農業に

2019/7/22 16:00
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ソフトバンクは2019年7月19日、法人向けイベント「SoftBank World 2019」で「ソフトバンクの5G戦略と今後の具体的な取り組み」と題した講演を開催。テクノロジーユニットモバイル技術統括モバイルネットワーク本部の野田真本部長は、「(次世代通信規格の)『5G』はサービスのためのネットワークになる」と語った。

野田氏はメールや写真が中心だった「3G」、動画配信などで生活の幅を広げた「4G」とこれまでの通信規格の歴史を振り返り、「5G」は「社会や産業をさらに進化させるもの」とした。ただ、「5Gだけで何かができるとは考えていない。人工知能(AI)や(あらゆるモノがネットにつながる)IoTとの組み合わせでさまざまなことが実現できる」とする。

社会や産業は、5G×AI×IoTの組み合わせで進化すると紹介(出所:ソフトバンク)

社会や産業は、5G×AI×IoTの組み合わせで進化すると紹介(出所:ソフトバンク)

ソフトバンクは5G用の周波数として3.9GHz帯と29GHz帯を割り当てられており、干渉やカバーエリアなどの課題を考慮しながら整備していく計画。ただ、野田氏によると、都市部はすでに基地局が飽和状態で「もう置く場所がない」という。そこで5Gエリアの整備では「Massive MIMO(マッシブ・マイモ、空間多重技術)」をうまく活用し、基地局数を5分の1程度に抑えながら4Gと同等以上のエリアをカバーしていくとした。

続けて野田氏は「今後あらゆる産業が自動化を目指して進み、人間の操縦ではなく自律的に動いていく世界になる」として、自律的動作を支える高精度の位置測位技術を紹介した。19年7月から実証実験を始めた「センチメートル級測位サービス」は、リアルタイム・キネマティック(RTK)技術を使って誤差が数センチメートル以内の高精度測位を実現する。11月の正式サービス開始に向け、既存の基地局などを活用して高精度測位のための「独自基準点」を全国3300カ所に設置した。多くの独自基準点を置くことで、4Gエリア内でも高精度測位を提供するという。

「センチメートル級測位サービス」の概要(出所:ソフトバンク)

「センチメートル級測位サービス」の概要(出所:ソフトバンク)

野田氏は具体的な応用例として自動運転農業ロボットを使ったスマート農業を紹介し、講演ではヤンマーアグリ開発統括部先行開発部の日高茂實技監・部長が同社の取り組みを説明した。

日高氏は「日本の農業はいい状態ではない。農家の高齢化も進んでいる。少ない食料生産者が、増え続ける食料需要を支えるには、自動運転機械を使って農業から『食農産業』に発展させることが必要」と主張する。「スマート農業の実現には高精度な測位サービスはもちろん、耕作地の状況をAIで解析する際などに5Gの高速・大容量通信が不可欠」(日高氏)と締めくくった。

(ライター 森元美稀)

[日経 xTECH 2019年7月20日掲載]

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