2019年8月19日(月)

自民が2議席奪取、北海道で3年前の雪辱

参院選2019
北海道・東北
2019/7/22 10:49
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北海道選挙区(改選数3)では自民党が2議席を奪取し、1議席に終わった前回2016年の雪辱を果たした。自民党は知名度に勝る前知事の高橋はるみ氏(65)に続いて前道議の岩本剛人氏(54)も当選を決めた。共闘が不発に終わった野党は立憲民主党の勝部賢志氏(59)が1議席を死守するにとどまった。

自民党で2議席を獲得して喜ぶ自民党北海道連の吉川貴盛氏(左から2人目)ら(21日、札幌市)

自民党で2議席を獲得して喜ぶ自民党北海道連の吉川貴盛氏(左から2人目)ら(21日、札幌市)

午後8時の投票終了からほどなく当選を確実にした高橋氏は満面の笑みを浮かべ、札幌市内の事務所に姿を見せた。4期16年にわたって知事を務めたとはいえ、国政は初めて。「新米ではあるが、全道域を理解している立場としてしっかり仕事をしていく」と気を引き締めた。

圧倒的な知名度を前面に押し出し、選挙戦は終始優位に進めた。自民党が苦戦していた岩本氏への組織的な支援を打ち出しても、高橋氏は道内をくまなく回って「地方の状況を訴え、国の方針に反映することが道民への恩返しだ」などと呼びかけ続けた。

老後資金の不足問題をはじめとする社会保障制度を「待ったなしの問題」ととらえており、「安心して老後を過ごせる年金制度の充実を図る」と強調する。18年9月の北海道胆振東部地震直後に発生した大規模停電を踏まえ、エネルギーの供給体制の強化にも意欲を見せる。「即戦力として課題解決に取り組みたい」と言い切るだけに、JR北海道の経営再建などでは早速、実行力が問われそうだ。

一方、岩本氏は序盤は苦戦が伝えられた。道議を5期務めた経験はあるものの知名度不足は否めない。「無名の新人です」と繰り返した岩本氏には北海道の鈴木直道知事のほか、安倍晋三首相をはじめ自民幹部が相次いで応援に入ってテコ入れ。蓋を開ければ危なげなく当選圏内に入った。

21日午後8時を過ぎてすぐに当確の知らせが入り、札幌市内の岩本氏の事務所には支援者らの拍手が巻き起こった。岩本氏は駆けつけた鈴木知事と抱擁を交わし「17日間の厳しい選挙だったが、みなさんのおかげでやり抜くことができた」と感謝の言葉を口にした。

有権者に訴えたのは食と観光の成長をベースにした北海道経済の成長だ。「食と観光を支えれば大きな力となり、地域の経済が変わる」と主張する。自身の地元、札幌市清田区は地震で液状化の被害が出た地域でもあり、防災・減災の取り組みへの思いも強い。岩本氏は「鈴木知事とも連携して北海道のために尽力したい」と意気込んだ。

今回と同じく2議席の獲得を狙った3年前は1議席にとどまり、自民党は雪辱を期していた。高橋氏の事務所に駆けつけた同党北海道連の吉川貴盛会長と岩本氏は高橋氏とともに万歳を三唱した。選挙期間中のわだかまりを流すかのように、高橋氏は「力を合わせて北海道の明日のために働く」と笑顔で話した。

北海道選挙管理委員会によると、北海道選挙区の投票率(22日午前2時45分時点の集計)は53.76%と、16年の前回より3.02ポイント低い水準。統一地方選に参院選が続く12年に1度の選挙イヤーで、有権者の「選挙疲れ」も影響したようだ。

■野党も1議席死守、勝部氏危なげなく
 立憲民主党の勝部賢志氏(59)は投票終了直後に当選を決め、夫人とともに札幌市内の事務所に姿を現した。集まった支持者らから拍手が巻き起こると満面の笑みで握手を交わし「子供を安心して育てていける社会をつくっていきたい」とあいさつ。早々に決まった初当選を喜んだ。

当選確実の一報を受け万歳三唱する立憲民主党の勝部賢志氏(中)(21日、札幌市内の選挙事務所)

当選確実の一報を受け万歳三唱する立憲民主党の勝部賢志氏(中)(21日、札幌市内の選挙事務所)

3年前は前身の民進党が2議席を獲得してかつての「民主王国」の意地を見せたが、今回は自民党に2議席確保を許した。勝部氏は憲法改正に反対の立場を明確に示し、カジノを含む統合型リゾート(IR)の道内誘致への反対も主張。安倍1強への批判票の受け皿にもなり、安定した選挙戦を展開した。
19年間の小学校の教員生活の経歴を生かし、雇用の改善や最低賃金の引き上げなど労働環境の改善を強く訴えた。非正規社員の正規化など「働く環境の改善に取り組む」と強調。連合北海道などの組織力も生かした。
 道議を4期務めた政治家としての原点は、若者が暮らしやすい社会づくりを志したことだったという。真っ黒に日焼けした顔で「生活の安心を取り戻し、日本の平和を守ってほしいという言葉を頂いた。声に応えられるよう全身全霊を傾けたい」と話していた。

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