有権者「政策比較もっと簡単に」「有効な代案を」

参院選2019
2019/7/22 10:19
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21日に投開票された参院選は、与党が改選議席の過半数を上回ったが、自民は改選議席より減らす結果となった。野党も有権者の関心を呼ぶ争点をつくれず、投票率は戦後2番目の低さだった。関心が低調だった理由や、社会保障・年金、憲法改正、女性の政治参加といった重要テーマについての注文を、投票した有権者や識者に聞いた。

選挙戦最終日、街頭演説を聞く有権者ら(20日、埼玉県川口市)

選挙戦最終日、街頭演説を聞く有権者ら(20日、埼玉県川口市)

●低投票率

東京都新宿区の女性会社員(39)は「インターネットで各党の政策を調べてもよく分からなかった。もっと簡単に政策を比較できれば投票率が上がるはずなのに、現状は政治に関心があっても選びにくい環境だ」と語る。同区の男子大学生(20)は「若い世代は投票率が低いといわれるが、投票しないと政治を語る権利もないと思って投票した」と話した。

東北大の河村和徳准教授(政治学)は「民進党の分裂で多弱化が進み『どうせ与党が勝つだろう』と諦めた人の棄権票が増えた」と分析。「与野党とも『言葉の力』を失っている。与党は失言が多く、野党は有権者を振り向かせるほどの魅力的な政策を打ち出せていない」と指摘する。

●社会保障・年金

老後資産が2千万円不足――。参院選前、金融庁の報告書が示した試算は波紋を呼んだ。練馬区の会社員男性(44)は「給付と負担のバランスを冷静に見れば公的年金に頼って生活するのは非現実的で、個人で備えるしかない。野党はむやみに不安をあおるばかりで有効な代案を示せなかった」と話す。

同区の専門学校講師の女性(64)は「政府は不都合な現実から目を背けている。次世代のために与野党が社会保障の厳しい現状を直視した上で、建設的な解決策を議論してほしい」と訴える。

●女性の政治参加

改選6議席の東京選挙区では3人の女性候補が当選した。新宿区の女性会社員(38)は「女性は男性と同じ条件でまだ働けていない。医学部不正入試問題でも機会の不均等を感じた。そもそも女性候補が少なすぎる。もっと女性が立候補しやすい環境や制度を整えてほしい」と話す。

上智大の三浦まり教授(政治学)は「今回は女性比率の政党格差がはっきりと出た。女性候補を増やすためには政党のさらなる努力が不可欠だ。女性政治家が政党を超えて連携し、ハラスメントなど共通の問題に立ち向かうことも大切になる」と指摘する。

●憲法

新宿区の会社経営の男性(36)は「自衛隊の存在を憲法上認めていない現状はおかしい。複雑な国際情勢の中で日本を守ってくれているのが自衛隊。今こそ改憲すべきだ」。一方、港区の女性会社員(31)は「今改憲する必要はなく、もっと教育や福祉政策など力を入れるべき問題があるはずだ」と語った。

九州大の南野森教授(憲法学)は「重要な選挙だったが、憲法改正が本当に必要かといった本質的な議論がほとんどなかった」と指摘。「最近は現政権への好き嫌いや、右か左かといったイデオロギーの違いで憲法が論じられているが、国会議員が党派を超えた立場で議論を深めるべき問題だ」と話した。

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