香港デモ、収束見えず 警察批判に軸

2019/7/21 22:24 (2019/7/22 1:09更新)
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催涙弾の白煙が立ちこめる中、逃げ惑う若者ら(21日、香港)=共同

催涙弾の白煙が立ちこめる中、逃げ惑う若者ら(21日、香港)=共同

【香港=木原雄士】香港の民主派団体は21日、「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモを再び実施した。主催者によると約43万人(警察発表は13万8千人)が参加した。香港政府が条例改正を事実上、断念したため、デモ隊と衝突を繰り返す警察への批判に軸足を移した。一部は中国政府の出先機関に卵を投げつけたり国章を汚したりして、抗議の矛先を中国に向け始めた。

デモは「民間人権陣線」が呼び掛けた。警察は立法会(議会)や政府施設が集中する地区の手前でデモを終えるよう指示したが、デモ参加者は行進を続け、幹線道路を一時占拠した。

デモ終了後、約千人が中国政府の出先機関に向かい、建物に落書きなどをした。中国政府は21日夜、「こうした行動は中央政府の権威への公然とした挑戦であり一国二制度の原則の限界ラインに触れるものだ。絶対に容認できない」との談話を出した。香港警察は深夜にかけてデモ隊の強制排除を進め、催涙弾を使用した。

香港中文大学の馬嶽准教授は「最近の抗議活動の焦点は条例案そのものから警察の暴力行為に移ってきた」と話す。民主派は警察の行為を検証する調査委員会の設置や、デモを「暴動」とした政府見解の取り消しなどを求めているが、政府はいずれも拒んでいる。

幹線道路を行進するデモ参加者(21日、香港)

幹線道路を行進するデモ参加者(21日、香港)

最近のデモでは若者と警察の衝突が常態化し、双方が批判し合う事態となっている。香港の政治リスクコンサルティング会社、スティーブ・ビッカーズ・アンド・アソシエーツは「香港政府は運動家が過激な暴力行為に走れば一般市民から信用を失い、警察の取り締まりを正当化できると考えている」と解説する。

香港中文大の馬氏は「一連のデモの根底には、香港の自由や自治が侵されているとの懸念がある」と指摘する。デモ参加者は有権者が1人1票を投じる普通選挙の導入なども求めている。馬氏は「市民の懸念に対処するには政治改革が不可欠だ」と話す。

一方、香港政府や警察を支持する親中派も20日に集会を開き、主催者調べで31万6千人(警察発表は10万3千人)が参加した。参加者は中国国旗を掲げて「警察がんばれ」などと声をあげた。

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