2019年8月26日(月)

「安倍1強」変わらず 首相「解散も選択肢」

参院選2019
2019/7/21 20:46 (2019/7/22 1:11更新)
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当選のバラをつける安倍首相(21日、自民党本部)

当選のバラをつける安倍首相(21日、自民党本部)

与党は参院選で改選過半数の63を上回る議席を確保した。安倍晋三首相(自民党総裁)は安定政権の基盤を守り、衆院解散の選択肢でフリーハンドを握りながら政権運営にあたる。11月には通算在職日数で歴代最長となる。今後の政権運営は9月に実施する内閣改造・党役員人事や、10月に予定する消費税率引き上げ後の景気の維持が課題になる。

首相は21日夜の民放番組で、2021年9月までの党総裁任期中の衆院解散について「選択肢から外しているわけではない」と語った。

野党の選挙準備が整わないうちに解散するなら、天皇陛下の皇位継承行事を終えた後の年末から年始という時期が浮上する。来春の20年度予算成立後や東京五輪・パラリンピック後の来秋も候補となる。衆院議員の任期は21年10月まであり、首相には解散しない選択もある。残り約2年の任期中、解散をちらつかせながら求心力を保つのが基本戦略だ。

首相は21日夕、都内の私邸で麻生太郎副総理・財務相と約45分間会談し、参院選後の政権運営について話し合った。22日には党本部で記者会見を開き、今後の方針を表明する。新たな参院議長を選出する臨時国会は8月1日に召集する方向だ。

当面の課題は10月に予定する消費税率10%への引き上げだ。増税が消費を冷え込ませかねないとの懸念は根強い。足元の国内経済指標は輸出関連などに弱含みが目立つ。中東のホルムズ海峡をめぐる緊張や米中の対立が世界経済に与える影響も不安材料だ。景気が腰折れすれば、解散カードは切りにくくなる。首相は21日夜、必要に応じて追加の経済対策を講じると明言した。

増税後の経済情勢は憲法改正の行方にも影響する。自民党は参院で3年ぶりに単独過半数を失った。連立を組む公明党と調整しなければいけない場面が増える。景気悪化で支持率が落ち込めば改正案をまとめる推進力を欠く。

参院選後は外交課題が待ち受ける。まず直面するのは米国との貿易交渉だ。トランプ米大統領は5月、交渉を参院選後まで待つとしつつ「大きな数字を期待している」と表明した。事務レベルの協議は7月末に再開し、8月には閣僚級協議を予定する。米側は牛肉など農業関税の引き下げを迫ってくる可能性が高い。

対米交渉には安全保障上の問題も絡む。米国はホルムズ海峡を航行する民間船舶を護衛する有志連合構想について、日本を含む関係各国に協力を要請した。自衛隊派遣の是非や派遣する場合の法的枠組み、イランとの友好関係への影響など日本は難しい判断を迫られる。与党幹部は「安保で協力できなければ貿易交渉で譲歩するよう米側が圧力をかけてくるかもしれない」と警戒する。

停滞するロシアとの平和条約交渉や北朝鮮による日本人拉致問題をどう打開するかも課題だ。

政権運営のカギを握るのは9月に想定する内閣改造と自民党役員人事だ。政権浮揚の起爆剤になることもあれば、新閣僚の失言やスキャンダルが発覚するリスクもある。首相は経済や外交をめぐる一連の政権課題をにらみながら構想を練る。

新体制で臨む秋の臨時国会は10月ごろに召集する見通しだ。憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案やハンセン病家族を救済する関連法案の成立を目指す。対米貿易交渉の推移によっては日米貿易協定の承認案の提出も検討する。

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