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裁判手続きの長期化、デジタル証拠増が要因 最高裁

裁判員裁判で電子メールやSNS(交流サイト)、防犯カメラ映像などの証拠が増えたことが、起訴から初公判までの期間が長引く要因になっていることが最高裁がまとめた報告書で19日、分かった。膨大なデータの分析に時間がかかるためだ。最高裁は、法曹3者がデジタル技術の発達に対応しながら裁判手続きを迅速化する方法を探る必要があるとしている。

最高裁は2003年施行の裁判迅速化法に基づき、裁判の実施状況を分析した報告書を隔年でまとめている。今回は刑事裁判の実情を初めて調査し、裁判が長期化する原因について地裁の裁判官や検察官、弁護士から意見を聴いた。

報告書によると、裁判員裁判で初公判前に争点を絞り込む「公判前整理手続き」の平均期間は09年は2.8カ月だったが、18年は8.2カ月に伸びた。被告が否認する事件に限ると3.1カ月から10.0カ月に伸びた。

要因について法曹3者は、メールやSNS、防犯カメラの映像などの客観証拠が増え、膨大なデータ量の分析に時間がかかっていることを挙げた。検察が証拠として開示した電子データを閲覧できるソフトを弁護士が持っておらず、別の形式に変換できないか交渉したために証拠の検討が長引いたケースもあった。

最高裁の担当者は「SNSのやりとりを一部だけ切り取ると誤解を招く恐れがあるとして、前後の文脈も含めて調べる必要があると主張する検察官や弁護士も少なくない」と指摘する。防犯カメラ映像は、裁判員に分かりやすいよう検察側が画像を鮮明にする作業で時間がかかるという。

ほかにも、弁護側が被告の刑事責任能力に問題があるとして精神鑑定を求める例が増え、精神科医や法医学者を探すのに時間がかかるとした。法廷で裁判員に分かりやすく証言してもらうための事前の打ち合わせも長期化の一因と指摘した。

報告書はこうした実態を「科学技術の進展や社会情勢の変化を背景にした外的要因にあたる」とし、公判前整理手続きの中で、どんな証拠をどこまで整理すべきか、法曹3者で認識を共有することが必要とした。

民事訴訟では複雑な案件の増加により、争点整理の期間が09年の11.6カ月から18年は14.2カ月まで伸びた。家事事件では、子どもの監護をめぐる事件の平均審理期間が09年の4.9カ月から18年の6.8カ月まで伸びた。当事者が感情的に激しく対立するケースが増えているとみられる。

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