ナイトプールで日焼けせずインスタ映え 家族でも満喫

日没後のプールを楽しむナイトプールの人気が今年も盛り上がりそうだ。長引く梅雨で出足が遅かったが、若い女性を中心に日焼けしないプールとして人気を集めそう。インスタ映えも期待でき、リゾート感覚も楽しめる。今年のナイトプール事情を探った。
巨大フロート、順番待ちの列
女性ファッション誌「CanCam」がプロデュースする「CanCam×Tokyo Prince Hotel Night Pool」が7月6日、東京プリンスホテル(東京・港)でオープンした(9月16日まで)。午後6~9時開催で、入場料は女性4320円、男性6480円だ。
今年は4年目で、2018年は2万人を超える来場者でにぎわった。4日開催のプレイベントの参加者にその魅力を尋ねると、一様に返ってきた答えは「インスタ映え」。
同ホテルマーケティング戦略の野原茉美さんも「撮影目的の女性がほとんど。メークやヘアもしっかり決めて来る」と話す。地方から泊まりがけで訪れる女性グループもいるという。
実際、プールで泳いでいる姿はあまり見られない。代わりに彼女たちが夢中になっているのが写真撮影だ。プールサイドでカメラを構える友人に向けて何度もポーズを変えたり、自撮り棒を手にプールの中で撮影したりする姿があちらこちらで見られる。
プールの演出も「インスタ映え」を強く意識している。ライトアップされたプールには、アイスクリームや貝殻、フルーツなどをモチーフにした巨大フロートや光るボールが浮かぶ。「フロートに乗っての撮影が人気。"映える"フロートには順番待ちの列ができる」と野原さん。

水深が浅い子供用プールも、夜は、色とりどりのカラーボールやハート形の浮輪が浮かぶ撮影スポットに変身。スマホやカメラを手にした女性たちは撮影に夢中だ。
リゾート気分、日焼けはせず
友人と一緒に訪れた20代の女性会社員は「昼間と違って日焼けしないし、写真にも雰囲気が出る」と話す。フロートに乗った友人を撮影していた20代女性も「ここなら東京タワーをバックに写真が撮れる。写真はインスタグラムに上げる」と笑顔を見せた。
13日オープンのホテルニューオータニ幕張(千葉市)のナイトプール「NIGHT POOL THE AQUA」は「真夏の楽園」をテーマに、リゾート感を打ち出す。火曜日と金曜日はDJによるミュージックパフォーマンス、土曜日は女性限定ドリンク割引など日替わりのイベントを開き、大人の夕涼みスポットとしてアピールする。
「緑も多く、リゾート気分を味わってほしい」と営業推進課の加藤亜紀子さん。併設のバーではカクテルなどのアルコールも楽しめ、追加料金を払えば屋根付きベッドなどのプレミアムシートを借りることもできる。
午後6時からの入場は平日大人3500円。30代のカップルは「思っていたより落ち着いた雰囲気。バーもあるしゆっくりできそう」、70代と40代の母娘は「ホテルならでの安心感も魅力」と話していた。
ホテル主催のナイトプールに比べ、比較的リーズナブルに楽しめるとファミリー層にも人気なのが、遊園地「としまえん」(東京・練馬)。3年目となるナイトプールは、7月20日~9月1日までの金土日曜日と、8月12~15日に実施する。午後6時から9時までのチケットは大人1500円(入園、プール入場込み)。豊島園事業企画課の宮内靖代さんは「家族や学生でも気軽に来られる価格に設定している」と話す。

大人から子供まで楽しめる演出も用意している。特に人気なのが、夜8時からの「HANABIナイト」。音楽に合わせて約7分間にわたって打ち上げられる花火をプールの中から眺めることができる。「打ち上げ場所から近いので、思いのほか迫力があり、好評」と宮内さん。
プールの壁面を利用したプロジェクションマッピング「としまえん×ネイキッドのマジカル・ナイト・ミュージカル」は、ミュージカル仕立てのショーで、ファミリーで楽しめる。「インスタ映えはもちろん、遊園地らしさを出したエンターテインメント性も兼ね備えたプール。ファミリーはもちろん、普段は遊園地を利用しない層にも受けている」(宮内さん)
昼の日差しを避けて、オフィスビルや街の明かりを眺めながら入るプールは、都会ならではの夏の楽しみ方といえるだろう。
(ライター 李 香)
[日本経済新聞夕刊2019年7月20日付]
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