2019年8月23日(金)

「参院選の投票に行こう」 若者3人に聞く

参院選2019
2019/7/20 14:16
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参院選は20日、選挙戦の最終日となり、候補者らは声をからして有権者に支持を訴えた。前回の投票率は54%で過去4番目の低さだったが、今回はどうなるだろうか。低投票率が続けば民主主義制度の根幹を揺るがす恐れもある。21日の投開票日を前に次世代を担う若者たちは政治や参院選に何を思うのか聞いた。

●「VOTERS」代表 田村大地さん(20)「気軽な気持ちで投票しよう」

田村大地さん

田村大地さん

昨年入学した信州大での学生生活は政治に関する情報に触れる機会が少なかった。今回の参院選を前に学生も政治参加しやすい環境づくりが必要だと考え、大学公認の団体「VOTERS(ボーターズ)」を5月に結成した。約10人の仲間が集まり学生の投票率向上を目指す活動を続けている。

公示前日の3日、国会議員ら長野県内の各党代表者をキャンパスに招いて公開討論会を開催したが、学生や地域の住民約150人が集まってくれた。大学の図書館に「不在者投票」を説明する相談ブースを設けると、日を追うごとに立ち寄ってくれる学生が増え、手応えを感じた。

よく「若者は政治に関心がない」といわれる。だが、この2カ月間の活動で気付いたのは、実は関心があるのに、友達との空気感が気になるなどの理由で、政治の話題からあえて距離を置いている学生も少なくないということだ。政治についてもっと気軽に考えて話せる環境があれば「若者の政治離れ」といったイメージも変わるはずだ。

とはいえ、社会に出る前の若者にとって政治はまだまだ身近な存在ではない。マニフェスト(政権公約)を見比べても決めきれない、という声も耳にする。そんな人たちには「気楽に投票して」と呼び掛けたい。私たちにはまだこれから何十回も投票のチャンスがある。だから、まずは参加してみよう。

●「POTETO Media」社長 古井康介さん(24)「そっぽ向くのはもったいない」

古井康介さん

古井康介さん

慶応大在学中の2016年に起業し、若者に政治を分かりやすく伝えるニュース配信や与野党の国会議員のプロモーションなどを手掛けている。今回の参院選前から、各党や議員が若者と対話する場を設け、SNS(交流サイト)で積極的に配信しており、政治が若者の方を向き始めていると実感している。

政治に関心を持ったのは、前回の米大統領選挙の様子を現地に見に行ったのがきっかけだ。集会ではショーのような演出が行われ、若い有権者も参加を楽しんでいた。それに比べ、日本の選挙は盛り上がりに欠けているように見えた。

最近は各政党がキャンペーンに若いモデルを起用したり、集会をカフェ風にして若者の参加を呼びかけたりしている。しかし「若者は同世代の言うことなら聞く」とか「お茶やお菓子を出せば来る」というのはオトナの勘違いだ。むしろ、政治家自身を「かっこいい」と思わせるようなアプローチでないと、若者は関心を持ちにくい。

若者の側もせっかく政治がこちらを意識しているのに、そっぽを向いていてはもったいない。「高齢者が多いから」と諦めるのではなく、少しでも多くの若者が投票すれば、その分だけ社会での若者の声は強まる。僕らが生きていく社会をどうしていくつもりなのか。候補者の描く将来像を見極めて一票を投じたい。

●「浜松若者社中」代表、山口七海さん(19)「政治は若い人に身近な政策を」

山口七海さん

山口七海さん

参院選では20歳前後の若者向けの政策に注目しているが、若者向けといえば子育て支援などの政策が目立つ。例えば、奨学金問題など学生や社会人になりたての若い人に身近な政策は少ない。

同世代には投票に行ってほしいが、この状態で「選挙に行こう」と言われても難しいだろう。20歳ぐらいの頃に選挙に行かなければ、その後もずっと惰性で行かないのではないか。政治家にはより若い世代に目を向け、政策で訴えてほしい。

静岡大生の私が代表を務める市民団体「浜松若者社中」では25歳以下の若者が集まり、浜松を熱気があふれる街にすることを目標に課題を話し合っている。議員とも交流し政治は身近なものと知った。もっと若い人に政治を自分のこととして考えてほしく、統一地方選前の3月には学生らを集めて模擬選挙もした。

実際に同世代と接していると、政治に関心のある人とない人の二極化を感じる。SNS(交流サイト)では「選挙に行こう」と盛り上がっているように見えるが、大学では「(首相の)安倍さんって何党なの?」という友人もいる。

SNSは若い世代に身近だが、自分の見たい情報だけが見られるメディアだ。SNSで啓発しても、全く関心のない人には届きにくく、限界もある。政治家はもっと政策で若い世代に歩み寄る必要があると思う。

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