2019年8月20日(火)

20年に1度のワインの祭典、スイスで 100万人来場

2019/7/19 5:05
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【ブベイ(スイス西部)=細川倫太郎】20年に一度のワインの祭典「フェット・デ・ヴィニュロン」が18日、スイス西部ブベイで開幕した。5000人以上が出演し、四季ごとのワイン生産者の暮らしなどを表現する幻想的なショーが目玉だ。8月11日までの期間中に100万人が来場する見通しで、希少価値の高いスイス産のワインを国内外にPRする。

会場周辺ではレマン湖を眺めながら、様々なスイス産ワインを楽しめる(18日、ブベイ)

目玉のショーは一糸乱れぬ踊りや、光と音の演出に会場が沸いた(18日、ブベイ)

祭りはぶどう栽培やワインづくりの伝統をたたえようと、ブベイのワイン生産者組合が1797年に始めた。当初はささやかな地元の祭りだったが、数世紀にわたって進化し、伝統演劇やパレード、試飲、ワインセラー巡りなど一大イベントに成長した。16年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。

初日の18日、ブベイには多くの来場客が押しかけ、小さな街全体が祭りムード一色に。2万人収容できる仮設のメーン会場では、色とりどりの衣装を身につけた出演者が一糸乱れぬダンスや歌を織り交ぜたショーを披露。ソチ冬季五輪の開会式を手がけたダニエル・フィンジ・パスカ氏が演出し、観客席からは大きな歓声が沸いた。

ジュネーブから訪れた家具職人のアントワーヌさん(47)はこの日を待ちわびていた。「発光ダイオード(LED)をちりばめたステージなど光と音の演出はすごかった」と感動した様子。ショーに出演した地元出身のリリアンさん(37)は「20年に1度の貴重な伝統イベントに参加できて光栄だわ」と笑顔を見せる。

開催頻度が極めて少ない理由の一つには、準備の大変さがある。約10年前から企画を練り上げ、ショーの出演者の大半はボランティアだ。開催費用は1億スイスフラン(約109億円)で、チケット販売や企業からのスポンサー収入でまかなう。

雄大なアルプスに囲まれたスイスは「隠れたワイン大国」とも呼ばれている。1人当たりのワイン消費量は年40リットルを超え、フランスなどと匹敵するほど愛好家が多い。レマン湖畔にあるブベイ周辺のラボー地区にはぶどうの美しい段々畑が広がり、白ワイン向けの品種「シャスラ」などを生産している。スイス全体のワイン生産量は少なく、大半が国内で消費されるため、輸出は2%未満にとどまる。

フェット・デ・ヴィニュロンの責任者、ホール氏は日本経済新聞社の取材に「お祭りでワイン造りの歴史や文化を感じてもらい、生産者の仕事やワインの質の高さを発信していきたい」と語った。

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