2019年8月25日(日)

BMW、新社長にツィプセ氏 業績回復・EV巻き返し託す

2019/7/19 4:20
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【フランクフルト=深尾幸生】独BMWは18日、8月16日付でオリバー・ツィプセ取締役(55)が社長に昇格すると発表した。2015年に就任したハラルト・クリューガー社長(53)は取締役を退く。20年に任期満了となるクリューガー氏が契約を更新する案もあったが、5日に同氏が更新を望まない旨を申し出ていた。収益力が落ちているBMWは新体制で成長軌道への復帰を目指す。

BMWの次期社長への昇格が決まったオリバー・ツィプセ取締役=ロイター

ドイツ生まれのツィプセ氏は独、米の大学でコンピューターサイエンスや機械工学、経営学を学んだのち1991年にBMWに入社した。生産畑が長く、現在は同社が進めるエンジン車とハイブリッド車、電気自動車(EV)を同じ生産ラインで造るプロジェクトを率いる。

生産担当からの社長就任はクリューガー氏やその前任のノルベルト・ライトホファー氏と同じで順当な人事と言える。だが、53歳とまだ若いクリューガー氏の降板には独国内では事実上の更迭という見方も出ている。

理由のひとつは業績の悪化だ。18年12月期の純利益は前の年と比べ17%減、19年1~3月期は前年同期比75%も減った。米中の貿易摩擦や欧州連合(EU)の警告を受けたカルテルの罰金への引き当てなど、特殊要因による部分は大きいが、自動車部門の売上高利益率は指標としている下限の8%を下回っている。

EV戦略で米テスラなどに後れをとったという批判もある。BMWは13年にEV「i3」を発売したが、先駆者のイメージはテスラにさらわれた。BMWの株価はクリューガー社長が就任した15年5月の約4割安の水準だ。

ツィプセ新社長にはクリューガー氏が直面した課題がそのまま引き継がれる。米中や米欧の貿易摩擦は依然としてくすぶっているほか、同社が工場を構える英国のEU離脱では「合意なき離脱」の懸念が高まる。

中国や欧州など世界の新車市場は停滞し、かつてのような力強い成長は見込めない。一方、電動化や自動運転のための先行投資は膨らむばかりだ。

取締役の人事権を握る監査役会のライトホファー会長は声明で「ツィプセ氏はモビリティーの未来を形作るうえで新鮮な勢いをBMWにもたらしてくれる」と述べた。BMWは6月、EVの投入を2年前倒しする戦略を発表したばかり。ツィプセ氏にとって、自らが整えた生産設備を使って戦略を着実に実行し、先進的なイメージと高い利益率を取り戻すことが最初の仕事になりそうだ。

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