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農業用水路の使用料、周辺住民への請求認めず 最高裁判決

農業用の土地改良などを行う法人「土地改良区」が、区の管理する農業用水路にし尿を処理した排水を流す住民に水路の使用料相当額を請求できるかが争われた訴訟の上告審判決が18日、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)であった。同小法廷は河川法に基づく許可は区に流水を使用できる権利を与えたもので、この許可に基づき使用料を他者に請求することはできないとの判断を示した。

訴えていたのは、徳島市の「以西土地改良区」。河川法に基づき、川の水を灌漑(かんがい)目的で使用する許可を受け、徳島市が管理権限を持つ水路の維持管理を事実上担ってきた。し尿などを浄化槽で処理した排水を水路に流す住民に使用料相当額の支払いを求めていた。

第1小法廷は判決で、河川法に基づく許可は、灌漑目的のために必要な限度で流水を使える権利にすぎず、直ちに第三者の水路への排水を禁止できるものではないと指摘。排水を禁止できるとして改良区の請求を一部認めた二審判決を破棄し、請求を退けた。

小池裁判官は補足意見で、「水路の管理権限を持つ徳島市と改良区の法的関係が明確でないことが紛争の原因の一つになっている」と指摘した。維持管理や費用負担のあり方について、両者の役割を明確にした上で法令に基づいて整理する必要があるとした。

農林水産省などによると、農業地域に農家ではない一般家庭が住む「混住化」が進み、下水道整備がされていない地域では浄化したし尿などの生活排水を農業用水路に流す事例が多い。今回の判決で、法的根拠が曖昧なまま使用料を徴収している土地改良区は対応を迫られる可能性がある。

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