2019年9月19日(木)

競馬実況アナ日記

フォローする

急増する新規馬主 夢と感動、「心の損益」プラスに

(1/2ページ)
2019/7/20 6:30
保存
共有
印刷
その他

競馬実況で馬を見分ける主な手掛かりは、騎手が着用している帽子と勝負服のデザインです。

先日、筆者が実況を担当していた競馬場に、競馬未経験者を含む友人数名が来てくれました。彼らにとって、競馬場で聴く友人の声は、とても刺激的(?)な体験だったようで、その後、競馬実況のやり方について熱心に尋ねられました。

帽子と勝負服のことを説明すると、「どうして服を見ただけで、馬の名前が出てくるのか」と、次の質問が……。実際は帽子、勝負服、馬の名前を書いたメモを手元に置いているとはいえ、ほとんどは暗記して声に出しています。確かに、理屈を説明しただけで理解してもらうのは難しいのかもしれません。

このコラムで何度か触れていますが、中央競馬の勝負服のデザインは、出走馬の馬主が決めています。競走馬が初めて実戦を走る新馬戦から、頂点を争うG1競走まで、すべての競走でこのルールが適用されています。

中央競馬の騎手が着る勝負服は色とりどり。デザインは出走馬の馬主が決めている=共同

中央競馬の騎手が着る勝負服は色とりどり。デザインは出走馬の馬主が決めている=共同

実はここ数年、新たなデザインの勝負服を見る機会が増えたため、「新しい馬主が増えてきたのでは」という印象を抱いていました。

例えば、昨年12月に行われた朝日杯フューチュリティステークス(G1)。同レースに出走したイッツクールは、日本中央競馬会(JRA)が育成した2歳馬をせり方式で販売する「JRAブリーズアップセール」で実施されている「新規馬主限定セッション」の取引馬でした。イッツクールはスタートして7秒ほどで先頭に立ち、ゴールへ向かう直線の前半まで見せ場をつくりました。実は筆者が場内実況を担当していたG1レースで、「愛馬が先頭に立つ」ということの重みを実感したレースでした。

馬主登録数、12年の底から200名義増

今回は疑問を解き明かすべく、JRA競走部競走関連室の藤沢流・馬主担当課長に話をうかがいました。

「JRAの馬主登録数は個人・法人・組合を合わせて、2018年末の段階で2473名義。1991年末から20年ほど減少していましたが、12年末(2256名義)に底を打ち、そこから6年で200名義ほど増加しています」

資料によると、過去6年で新たに953名義の馬主登録がありました。全部の馬主がコンスタントに馬を買うわけではありませんが、全体の4割近い新規の馬主登録があったので、新しい勝負服を目にする機会が多い、という印象は実態を反映していたということでしょう。想像通りというより、実際の増え方は想像をはるかに超えていました。

馬主登録数が増加に転じてから6年間、JRAは新規馬主の参加を促すため、様々な施策を進めました。馬主登録のための要件などを緩和するとともに、こうした情報や、賞金を試算するシミュレーターなどを備えたページを公式サイト内に公開。また、新たに馬主資格を取得したばかりの人に対しては、年数回のオリエンテーションを実施するなどして、スムーズに馬主ライフに入っていけるための取り組みを行っています。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

競馬のコラム

関連キーワード

電子版トップスポーツトップ

競馬実況アナ日記 一覧

フォローする
今年産まれたロードカナロアとアドマイヤテンバの間の子。2億7000万円で落札された

 競馬界に夏の訪れを告げる大イベント、セレクトセールが今年も7月8、9の両日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。日本競走馬協会が主催する競走馬のせり市場だ。初日、高額落札馬続出で休む間も …続き (9/14)

英王室主催の「ロイヤルアスコット」に馬車で入場するエリザベス女王

 6月17日、英ヒースロー空港にて。筆者は同日、日本のディアドラが出走する英国のG1、プリンスオブウェールズステークスを実況するために現地入り。当日の他のレースも日本向けに実況中継するということで、移 …続き (8/31)

場立ち予想家の吉冨さんのブースの前にはいつも人だかりができる

 東京・大井競馬場のパドック横にずらりと並ぶ百戦錬磨の場立ち予想家のブース。一番端に位置する「ゲートイン」と書かれた場所には、いつも人だかりができている。大井競馬のカリスマ予想家、吉冨隆安氏。特に「痛 …続き (8/17)

ハイライト・スポーツ

[PR]

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。