2019年8月18日(日)

瀬戸内の自然、生産性と共存 三菱電機工場にビオトープ

2019/7/18 7:23
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三菱電機の受配電システム製作所は生物多様性の保全活動に力を入れている(香川県丸亀市)

三菱電機の受配電システム製作所は生物多様性の保全活動に力を入れている(香川県丸亀市)

三菱電機の電力関連機器を製造する受配電システム製作所(香川県丸亀市)が、生物多様性の保全活動を強めている。工場内にビオトープ(植生物の生息帯)を設けるなど、瀬戸内の自然環境とのつながりを意識した環境整備を進めている。40年前に1本の木もなかった埋め立て地で出発した工場は、緑を育ててきた工場として外部からも評価されている。

三菱電機の受配電システム製作所は生物多様性の保全活動に力を入れている(香川県丸亀市)

三菱電機の受配電システム製作所は生物多様性の保全活動に力を入れている(香川県丸亀市)

真空バルブを搭載した産業用の遮断器を製造する2018年に稼働した新製造棟の北西にクロマツ林が広がる。約160平方メートルの池の周辺では、様々な昆虫が生息していた。木にはセンサーカメラが取り付けてあり、生息状況を調べている。

新製造棟の建設を機に約700万円を投じて整備したビオトープは18年4月に完成した。新製造棟は省エネ技術を駆使した最新鋭工場だが、環境配慮をもう一段、上のレベルに引き上げるべく、生物多様性の保全活動を強化しようとビオトープを造成した。

新製造棟の目の前には瀬戸内の多島美が広がる。豊かな自然とのつながりを意識して、16年に何をすべきか工場内で生物調査をした。工場の面積は東京ドーム換算で4.2個に相当する19万8千平方メートル。調査を進める中で、トンボの生息に加え、渡り鳥が羽を休める場所が必要だとしてビオトープを整備することが決まった。

四国内では自然環境の豊かさを示す象徴としてコウノトリやツル類を生かした地域振興の取り組みが始まっている。四国地方整備局などで構成する四国圏域生態系ネットワーク推進協議会は2月に全体構想をまとめ、こうした取り組みを加速し、自然と共生する四国を国内外にアピールしていくことを決めた。工場も地域の一員として、できることをすることが構想の実現につながる。

同社の取り組みは外部からも評価されている。都市緑化機構(東京・千代田)が手掛ける企業緑地の認定制度、SEGES(シージェス)の「そだてる緑」において四国で初めて認定を取得した。クロマツ林やビオトープなど様々な緑地を整備してきたことや、丸亀市に所属する離島、広島などでの里山保全活動が評価された。

同社にとっても初めての認定の取得であり、埋め立て地で出発した工場が緑化や生物多様性の保全活動で今や一歩先をいく。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」による生産革新の工場として国内外から訪れる見学者に、技術と環境の両面をアピールしていく。

工場では香川県内の小学生を招いて工場見学や理科教育に力を入れている。今後は瀬戸内の自然を守っていくことの大切さなど環境教育も取り入れたいと考えており、瀬戸内の一員として地域に貢献する。(辻征弥)

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