2019年8月19日(月)

AIは人間拡張のツール 三菱総研・比屋根氏に聞く
働き方進化論

働き方改革
2019/7/20 2:00
保存
共有
印刷
その他

人工知能(AI)は自動で様々な作業をこなす「デジタル労働者」として、存在感を持ち始めている。一方で、人間の仕事を奪うとの脅威論が強まってきたのも事実だ。AIには働き方を変える力があるという三菱総合研究所の比屋根一雄AIイノベーション推進室長に、どう向き合うべきか聞いた。

比屋根一雄・AIイノベーション推進室長

比屋根一雄・AIイノベーション推進室長

――AIはどんな力を持っているのでしょう。

「作業の自動化や最適化、ノウハウの再現ななど活用領域は広い。事務職のアウトソーシングが進めば、職場にいるホワイトカラー10人のうち9人がいなくなるということも起こりうる。三菱総研の予測では、国内の事務職は現在人手不足だが、AIが普及することによって2022年以降に人材供給が需要を上回り、30年には120万人が過剰になる」

――職場にAIが入ってくる利点についてはどう考えられますか。

「企業のなかで私たちが何かを決めるとき、判断材料になるような多くの情報を集め、資料を作る。AIを使えば、このプロセスが大幅にスリムになる。上司への説明資料や稟議(りんぎ)書などをAIが代わりにつくるからだ。とくに決定のための資料づくりの仕事が多い金融機関や自治体はAIの導入効果が大きい。その結果、職場にいる人の生産性は飛躍的に向上する」

――AIにできないこともあります。

「私たちにとって何が課題なのかをAIが設定することはできない。部下の課題を設定する中間管理職や、商品販売の全体戦略を立案するマーケティング担当者といった高度なホワイトカラーは引き続き必要になる」

「企業にとって重要なのは、AIを人間の能力拡張のツールとして位置づけることだ。オフィスワーカーにはAIを使って何ができるかを考えることが求められる。日々の仕事にクリエーティブに取り組み、常に改善に取り組んでいくという意欲が欠かせない」

(松井基一)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。