米「有志連合」構想、19日説明へ ホルムズ海峡警備で

2019/7/17 19:30
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【ワシントン=中村亮】米国務省は16日、中東のホルムズ海峡周辺を航行する船舶の安全確保に向けた有志連合構想の概要を19日に関係各国に説明すると明らかにした。イランがタンカーの航行を妨げる事件が相次いでいるとの分析も示し、新構想への協力を各国に求めるとみられる。

16日、トランプ米大統領はイランとの対話に意欲を示したが実現のめどは立っていない(ワシントン)=ロイター

16日、トランプ米大統領はイランとの対話に意欲を示したが実現のめどは立っていない(ワシントン)=ロイター

国務省と国防総省が同盟国など関係国の外交団を招き、合同で説明する。現時点で参加予定国は明らかにしていない。

国務省でイラン担当特別代表を務めるブライアン・フック氏は16日のイベントで、新構想に関連して「海峡を通る石油の大半はアジア向けだ。目的を共有する国がそれぞれの役割を果たすことが重要だ」と語り、原油輸入で中東への依存度が高いアジア諸国にも協力を求める意向をにじませた。

米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は9日、ホルムズ海峡やイエメン沖を航行する民間船舶を護衛するための有志連合の結成を目指すと表明した。米軍は不審船などの監視活動や情報収集を主要任務として、民間船舶の護衛は各国に委ねる仕組みを想定している。説明会では詳細な役割分担や有志連合の発足時期などについて米国の方針を説明するとみられる。

有志連合構想が浮上したきっかけはホルムズ海峡周辺で5、6月にタンカーが何者かによる攻撃を受ける事件が相次いだことだ。米国はイランの精鋭部隊である革命防衛隊の犯行と断定した。英政府によると7月にも同国のタンカーが革命防衛隊に進行を妨げられた。イランはいずれの事件も関与を否定している。

トランプ政権が米軍の負担軽減を急ぐ背景には、中東問題への関与を増やすほど、競争相手とみなす中国やロシアへの対応がおろそかになるとの危機感もある。米軍は5月以降にステルス戦闘機F22や核兵器を搭載できる戦略爆撃機B52をカタールの空軍基地に配備した。中東での配備を縮小してきた迎撃ミサイルシステム「パトリオット」についても、イランによるミサイル攻撃の恐れがあるとして戦力を増強する方向に転換した。

トランプ氏はイランとの緊張が高まるなかでも対話になお意欲を見せている。16日にはイランが弾道ミサイル開発の制限を米国との交渉材料にする方針を初めて示したとの一部報道を踏まえ「大きな進展がある」と語った。ただイラン側は報道を否定したほか、対話には米国による経済制裁の解除が必要だと主張している。対話のハードルは高いのが現状だ。

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