2019年8月20日(火)

エコシステム、運搬できる廃瓦リサイクル装置実用化

2019/7/18 6:50
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産業廃棄物の再生事業などを手掛けるエコシステム(石川県能美市)は2019年中に、施工現場まで運んで使える廃瓦のリサイクル装置を実用化する。透水性が高いほか熱を吸収しにくい舗装材を製造する。材料の配合比率をクラウドに蓄積して管理できる。環境配慮への意識が高まる中、南米など海外への輸出も計画する。新装置の販売を通じて、まず全社で売上高5億円の達成を目指す。

家屋の解体作業などで出る廃瓦のリサイクル装置「GAIAX(ガイアックス)」の試作品を昨年、完成させた。今秋以降に、軽量化して価格を抑えた量産型の装置を実用化。来年初めの販売開始を予定している。

粉砕した廃瓦とセメントを混ぜて舗装材を作る。全長は4メートル程度で、クレーン付きの4トントラックで装置を現場まで運ぶことができる。道路舗装の施工現場などで素材を必要な量だけ製造できる。

これまでの固定式プラントでは素材が固まってしまうため、製造してから90分以内で運べる現場でしか施工ができなかった。同社の高田実社長は「車載式で場所にとらわれず瓦のリサイクルが可能になる」と語る。価格は固定式の約5分の1の2000万円以下に抑える予定だ。

廃瓦とセメントの配合比率などは、用途や瓦の状態に応じてエコシステムがノウハウを提供する。装置に付けた計量器で、配合比率を自動で記録する。クラウド上にデータを蓄積することで、導入業者は施工現場ごとに使用した材料のデータを管理できる。

環境意識の高まりを販路拡大の追い風にする。日本では年間100万トン弱の廃瓦が発生し、多くが埋め立て処分されているという。南米では大量の廃瓦が沼に捨てられているケースもあるとされ、リサイクルへの関心が高まっている。

瓦は多孔質のため、透水性や保水性が高い。金沢工業大学によると河川にある砂の吸水率が2.5%なのに対して、粉砕した瓦は10%以上。熱伝導率も通常のコンクリートに比べて4分の1。緑化材や舗装材にすることで、都市部の気温上昇をもたらすヒートアイランド現象の抑制や洪水などの防止にもつながる。

エコシステムと金沢工大はこうした瓦の機能性を生かして、廃瓦を骨材に使った多孔質コンクリートも開発中だ。石炭火力発電所から発生する石炭灰などを配合することで植生に適した低アルカリ性の基盤を作る。内部に配水管を通して植物を育成できるよう施工する。

新装置はレンガも再利用できるため、国内だけでなく海外への販売も視野に入れる。まずは瓦やレンガが多く使われる南米、ボリビアの建設事業者などに販売。将来は欧州などでも拡販する計画だ。同社の18年6月期の売上高は約9000万円。21年6月期に5億円まで引き上げる目標を掲げる。(毛芝雄己)

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