芥川賞に今村夏子氏、直木賞は大島真寿美氏

2019/7/17 18:22 (2019/7/17 22:18更新)
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第161回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は今村夏子氏(39)の「むらさきのスカートの女」(「小説トリッパー」春号)に、直木賞は大島真寿美氏(56)の「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」(文芸春秋)に決まった。

直木賞に決まった大島真寿美氏(左)と芥川賞に決まった今村夏子氏(17日、東京都千代田区)

直木賞に決まった大島真寿美氏(左)と芥川賞に決まった今村夏子氏(17日、東京都千代田区)

贈呈式は8月下旬に都内で開かれ、受賞者には正賞の時計と、副賞100万円が贈られる。

■「身の丈にあったもの書けた」今村氏

今村氏は広島市生まれ。2010年に「あたらしい娘」で太宰治賞を受賞してデビュー。同作は「こちらあみ子」に改題して三島由紀夫賞も受賞した。芥川賞は3回目の候補で受賞が決まった。

受賞作は「むらさきのスカートの女」と呼ばれる不思議な雰囲気の女性を淡々とした筆致で描く。彼女にひかれ、同じ職場で働くように仕向けたもう1人の女性の視点でユーモアたっぷりに捉えた。

今村氏は記者会見で「一生取れないと思っていたので、本当に驚いた。(受賞作は)自分らしい、身の丈にあったものが書けた気がする」と喜びを語った。選考委員の小川洋子氏は「奇妙なピント外れの世界を上手に描けている」と評価した。

■「書いていて気持ちよかった」大島氏

大島氏は愛知県生まれ。南山短大を卒業後、劇団で脚本や演出などを担当。1992年「春の手品師」で文学界新人賞を受賞した。直木賞候補は2回目だった。

受賞作は江戸中期の大坂の浄瑠璃作者、近松半二の生涯を追った。芝居小屋が立ち並ぶ道頓堀を舞台に、一見華やかな世界にある虚実の渦を創作論を交えながら描いた。

大島氏は「びっくりして実感がない。(人形浄瑠璃には)語りの美しさがある。書いていて気持ちがよかった」と振り返った。選考委員の桐野夏生氏は「柔らかな大阪弁の語り口がすばらしく、読者も渦に引き込まれるのではないか」と述べた。

直木賞候補は初めて全員が女性だった。桐野氏は「女性作家の実力がそれだけ高かった。この状況が珍しいと思われないようになってほしい」と語った。

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