大王製紙の転換社債巡る訴訟、二審も北越敗訴
大王製紙が発行した新株予約権付社債(転換社債=CB)により株価が下がり、損害を受けたとして、筆頭株主の北越コーポレーションが大王の佐光正義社長ら発行時の経営陣に約88億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が17日、東京高裁であった。川神裕裁判長は請求を棄却した一審・東京地裁判決を支持、北越側の控訴を棄却した。
大王は2015年9月に300億円分のCBを発行した。北越はCBの発行価格が本来価値より低い「有利発行」にあたり、目的が北越の議決権比率を下げることにあったなどと主張していた。
判決はCBの発行条件は「客観的資料に基づき、一応合理的な算定方法で決定された」などとして、有利発行には当たらないとした。
大王の経営陣について、「CBの発行により、あわよくば北越の持ち株比率を20%を下回る比率にしたいとの思いを有していたとうかがわれる」としたが、発行は設備投資の資金調達のために行われたと推認するのが相当だと判断。持ち株比率を下げて持ち分法適用会社の関係を解消することが主な目的だったとは認められないと結論づけた。
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