ユニクロ、10月にインド1号店 ニューデリー含め3店体制に

ファーストリテイリング傘下のユニクロは10月にインドのデリー首都圏に1号店を出店すると17日発表した。ほぼ同時期に別に2店舗を出す予定で、早期の3店舗体制を築く。柳井正会長兼社長は以前から中国に次ぐ有望国としてインドを挙げており、積極出店で認知度を高め、13億人市場の取り込みを急ぐ。
1号店はデリー首都圏で人気の高いショッピングエリアの一つ、バサントクンジの「アンビエンスモール」に出す。3フロアで構成し、売り場面積は約3300平方メートル。男女や子供、ベビー向けの商品を幅広くそろえる予定だ。
2号店はニューデリーのショッピングセンター(SC)で2フロア構成で、売り場面積は約2千平方メートル。3号店は新興都市グルガオンの中心部に店を構える。柳井氏は「インドに3店舗を同時期にオープンすることは、ユニクロの世界戦略にとって重要な一歩だ」とコメントした。
柳井氏はかねて「アジアは中国とインド抜きで考えられない」と話していたが、実際インドへの進出に時間がかかっていた。今回の発表はインドの出店計画の詳細がようやく固まった形だ。
ファストリは2017年11月、インド政府にユニクロの単独ブランドで事業展開するための申請書を提出。18年5月には19年秋に進出すると発表し、1号店を出す方向で店舗スタッフの採用活動を始めていた。
インドでは店舗の売上高の最低30%を現地で生産した商品にするルールがある。ユニクロはインドで現地企業に委託する形で衣料品を生産しているが、新規出店と並行して段階的に30%まで高めていく方針とみられる。
インドは中国に次ぐ人口を誇り、高い経済成長率を維持する。すでに、「ZARA」を運営する最大手のインディテックス(スペイン)のほか、スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)が進出済み。
柳井氏が目指すグローバルブランドを進めるうえで、インドは欠かせない国の1つ。それだけにアジア販売の拡大も含め、現地で伸びる需要を取り込む。