2019年8月21日(水)

産後うつ防止は妊娠中から 多職種連携の有効性実証 母親支援

2019/7/17 12:23
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産後の母親は、ホルモンバランスの乱れや生活環境の激変、育児のストレスなどによって心の不調を起こしやすい。こうした母親たちを医師や看護師、保健師ら多くの職種で妊娠中から支え、いわゆる「産後うつ」を防ぐ取り組みが始まっている。

 長野県須坂市では母子手帳を受け取った女性と保健師が面談する=2015年(同市提供)=共同

国立成育医療研究センター(東京)のグループは、長野県須坂市などの母子保健関係者と協力して進めた妊産婦支援システムによって母親の精神の安定が期待できることを実証したと発表した。

須坂市などでの取り組みは2013年から。長野県立須坂病院(当時)の小児科部長だった石井栄三郎医師の発案がきっかけだった。

石井さんは、旧知の小泉典章・長野県精神保健福祉センター所長に相談し、世界的に使われている産後うつのリスクを点数化する質問票に、全ての妊産婦が答えるようにすることを提案した。今は妊娠が分かって母子手帳の交付を受けるとき、退院時、保健師が自宅に訪問するとき、新生児健診時などに繰り返し答えてもらっている。

点数(リスク)の高い女性を抽出した後は、医療機関にいる産婦人科や小児科、精神科の医師と看護師、助産師、退院後の地域にいる保健師が定期的に集まって、それぞれが診察や看護、訪問などの際に把握した母親の状態、子育ての環境などについての情報を交換し、支援策を検討する。

自分の不安を話すことをためらう母親もいるが、質問票に書くだけなら協力してくれる。回答をきっかけにすれば、子育ての不安を具体的に尋ねやすい。このシステムができるまで、保健師が出産後に訪問する際が母親と保健師の初対面になるケースが多かったが、妊娠中から顔見知りになることでその後の相談も安心してできるという。

長野県では同様のシステムを全市町村に広げる取り組みが進行中。山梨県でも取り入れられるなど広がりを見せている。

国立成育医療研究センターこころの診療部の立花良之乳幼児メンタルヘルス診療科診療部長は、厚生労働省研究班の代表として、この取り組みを「須坂モデル」と位置付け、導入前後の母親を比較、分析した。その結果、導入後の母親は導入前の母親に比べて、出産から3カ月後の産後うつリスクが低くなることが確かめられた。〔共同〕

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