アルゼンチン、インフレ率が6カ月ぶり低下

2019/7/17 6:34
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【サンタフェ(アルゼンチン北部)=外山尚之】アルゼンチン国家統計局(INDEC)が16日発表した6月のインフレ率は年率55.8%で、5月から1.5ポイント低下した。前月実績を下回るのは6カ月ぶり。昨年から下落が続いていた通貨ペソが足元で安定しつつあり、物価上昇はピークを越えたとの見方が強い。10月に大統領選を控える中、物価の安定は現職のマクリ大統領の追い風となりそうだ。

アルゼンチン中央銀行(6月、ブエノスアイレス)

単月のインフレ率も2.7%と、5月から0.4ポイント低下した。単月では3月の4.7%をピークに、低下傾向にある。

インフレが沈静化している最大の要因は通貨ペソの安定だ。ペソは対ドルで1年で5割を超える下落となり、4月には過去最低となる1ドル=45.8ペソを記録した。しかし、米国の利下げ期待などを背景に足元でペソは持ち直しつつあり、1ドル=42ペソ台で推移している。マクリ政権が4月から生活必需品や公共料金の価格統制を始めたことも物価上昇の抑制に寄与している。

現在、アルゼンチン中央銀行は資金需給に応じて政策金利を日々変動させる金融政策を採用している。通貨が対ドルで安定する中、15日の政策金利は58%と、5月に記録した74%から下落傾向にあり、景気の下支え要因にもなりそうだ。

現在、アルゼンチンでは10月27日の大統領選に向け、中道右派のマクリ氏と左派のアルベルト・フェルナンデス元首相が激しく競っている。左派陣営は物価上昇による景気低迷をマクリ政権の失政のせいだと非難し、各種世論調査ではフェルナンデス氏が先行。経済政策が争点となる中、マクリ氏の逆転にはインフレの沈静化が欠かせない状況となっていた。

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