VC協会が会長交代 赤浦新会長、新産業創出に意欲

2019/7/16 13:17
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ベンチャーキャピタル(VC)の業界団体である日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA、東京・港)はインキュベイトファンド(同)の赤浦徹代表パートナーと伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV、同)の中野慎三社長を新会長に選出した。両会長は機関投資家からの資金獲得を一段と進め、大企業によるスタートアップのM&A(合併・買収)を活発にする方針だ。

日本ベンチャーキャピタル協会の新会長に就任しあいさつする赤浦氏(右)と前会長の仮屋薗氏(中)、新会長の中野氏

パネル討論「CVCの進化型」で発言するTBSイノベーション・パートナーズの片岡氏(右)ら

定時会員総会後の新体制の紹介で、赤浦会長は「VC産業が我が国の新産業創出のけん引者となるべく、さらなる向上を目指す」と抱負を述べた。中野会長も「業界の発展のため、微力ながら尽力したい」とあいさつした。

2020年春には世界のVC団体トップが集まる会議を東京で開く予定で、会長の業務が増えるとみて2人体制で運営する。赤浦氏は主に国内対応にあたり、中野氏は海外業務を担う計画だ。

仮屋薗聡一前会長(グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナー)は4年の任期満了に伴って退任し、名誉会長に就いた。仮屋薗氏の最大の功績はJVCAの規模拡大だといえる。会長を務めた15年度からの4年間で、会員企業は2.1倍の202社に膨らんだ。VCだけでなくコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の参加も促し、就任前にわずか6社だったCVC会員は18年度末時点では56社にまで増えた。

赤浦氏はVC大手のジャフコを経て1999年に独立した。創業期のスタートアップに特化した投資を約20年間続け、6月に上場した名刺管理サービスのSansanや月探査のアイスペース(東京・港)を発掘したことで知られる。アイスペースの投資では、袴田武史代表取締役と面談した日に出資を決めたとされる。

中野氏は伊藤忠商事に89年に入社。90年代前半から米シリコンバレーで投資を始め、2000年にITVを立ち上げた。15年から同社の社長を務めており、国内外のIT(情報技術)産業に明るい。電動車いす開発のWHILL(横浜市)やアプリ開発クラウドのヤプリ(東京・港)への投資実績がある。

新体制の紹介後に開いた「CVCの進化型」と題したパネルディスカッションで、TBSイノベーション・パートナーズ(東京・港)の片岡正光代表パートナーは「事業シナジーが出るまでには時間がかかる。長く続けるには短期の収益を上げ、会社に理解してもらうことが大事」と話した。JR東日本スタートアップ(東京・新宿)の柴田裕社長は「戦略リターンを狙い、我々と組むことで伸びる企業に投資する。財務リターンはそこそこでいい」と述べた。

(鈴木健二朗、高橋徹)

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