日産「スカイライン」改良 ナビ設定で高速道自動運転
日産自動車は16日、高級車「スカイライン」を大幅に改良して、9月に発売すると発表した。車のナビゲーションと自動運転を連動させるなど、国内初の新技術を取り入れた。元会長カルロス・ゴーン被告の逮捕後、国内で乗用車の新車を発表するのは初めて。約60年の歴史を持つ看板車の刷新を通じ「先進技術」に強いブランドとして再出発をめざす。
同日、横浜本社で新車を公開した。日産はスカイラインを1957年の発売から、先端技術を最初に搭載する戦略車としてきた。国内営業を統括する星野朝子副社長は「日産を象徴するモデルにあらゆる技術を詰め込んだ。これが私たち日産の答えだ」と話した。
14年発売の現行車と車台などの骨格は同じだがデザインは一新。車のバッジも高級車ブランド「インフィニティ」から「ニッサン」に変えた。
自動運転では日本初の技術を入れた。高速道路では事前に入力したルートに沿って、車が車線変更や分岐・出口への対応をほぼ自動で行う。車が適切なタイミングで提案、簡単なボタン操作で自動運転に移る。運転手がすぐハンドルを操作できる場合は高速道路の同一車線で手放し運転や前方車の追い越しもできる。
高齢ドライバーの増加を踏まえて、運転の「見守り」機能も初めて導入した。専用アプリで設定した上限速度やエリアを超えるとスマートフォンなどに通知する。通信機能の向上で、車内Wi-Fiやナビの地図データの自動更新も実現した。
価格はナビ連動型の自動運転ができるハイブリッド(HV)モデルが547万円から。同グレードの現行車より約50万円高い。初年度の販売台数で現在の年2000台を上回ることをめざす。
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