2019年8月22日(木)

米長官、リブラ「深刻な懸念」 IMFは規制「必要」

トランプ政権
フェイスブック
2019/7/16 6:05 (2019/7/16 10:32更新)
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15日、ホワイトハウスで記者会見するムニューシン財務長官=AP

15日、ホワイトハウスで記者会見するムニューシン財務長官=AP

【ワシントン=鳳山太成】ムニューシン米財務長官は15日、米フェイスブックが計画するデジタル通貨「リブラ」について「深刻な懸念を持っている」と表明した。マネーロンダリング(資金洗浄)などに悪用される恐れがあるため、既存の金融機関と同様に悪用対策の規制に従う必要があると指摘した。トランプ大統領に続き、米政権の警戒が強まっている。国際通貨基金(IMF)も15日まとめた報告書で、リブラなどデジタル通貨に対する国際的な規制が必要だと指摘した。

ムニューシン氏は記者会見を開き「安全保障の問題だ。影で運用されることは許さない」と強調した。既に同社には当局の懸念を直接伝達して協議を進めているという。「現時点では満足していない」とも語り、リブラの制度設計に関して見直しを求めていく考えを明らかにした。

具体的には、金融機関が対応しているマネーロンダリング防止やテロ資金供与対策をフェイスブックも実施する必要があると明言した。送金システムの悪用などを防ぐ規制の対象となり、規制を執行する財務省の内部機関に登録しなければいけないと説明した。

IMFは報告書で、低コストで円滑に国際送金できる利便性などからデジタル通貨が一気に普及する可能性に言及。一方で個人情報保護がおろそかになったり金融政策が機能しなくなったりするリスクがあるとし、国際的な規制が必要だと指摘した。

報告書は、魅力的なサービス設計が得意な巨大IT(情報技術)企業などが参入している実態を取り上げた。全世界に利用者を広げた「SNS(交流サイト)のようなことが(デジタル通貨でも)起こりうる」と見通した。

一方、物価上昇が激しく当局の影響力が弱い国では現地通貨がデジタル通貨に置き換えられ「中央銀行が金融政策の制御を失う可能性がある」と警告した。「いくつかの銀行が間違いなく取り残される。他の銀行も急速に進化しなければいけない」とし、従来型の金融機関も事業モデルの見直しを迫られるとした。

報告書は「政策担当者は金融業界で起こるいくつかのディスラプション(創造的破壊)に備えなければいけない」と警鐘を鳴らした。国際機関や各国当局にも早期の対応を促した。

ムニューシン氏は17~18日にフランスで開かれる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でもデジタル通貨を巡る規制について取り上げる考えを示した。同様に深刻な懸念を表明している米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長とも、幅広い議論を交わしていると明らかにした。

トランプ大統領は11日、リブラに関して「信頼性を得られない」と述べ、銀行と同様の厳しい規制を設けるべきだと考えを示していた。

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