中米グアテマラ、移民の待機困難に 大統領の訪米中止

2019/7/16 4:24
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【メキシコシティ=丸山修一】中米グアテマラが、米国への難民申請を希望する移民の待機場所となることが難しくなってきた。15日にモラレス大統領がトランプ米大統領と会談して、受け入れに関する協定に合意するとみられていたが、訪米が延期された。グアテマラ国内で移民の待機受け入れに反対意見が続出しており、現状では合意は困難と判断したようだ。

メキシコで米への難民申請手続きを待つ中米移民(シウダフアレス)=ロイター

グアテマラ大統領府は14日、モラレス氏の訪米中止を発表した。「移民の待機を受け入れる合意に署名する予定はない」との声明も公表した。両国政府は米国への難民申請を希望するエルサルバドルとホンジュラスからの移民が、申請手続き中にグアテマラで待機する仕組みを模索していた。

大統領府の発表後、憲法裁判所は大統領が移民の待機受け入れの協定を結ぶには議会の事前承認が必要だとの判断を示した。協定反対派が憲法裁に対して、大統領が独断で国民生活に大きな影響がでる協定を結ぶのは憲法違反だと訴えていた。モラレス氏は2020年1月に大統領の任期を終える。残りの任期中に議会の調整などを経て協定締結にこぎ着けるのは難しいとみられる。

米・グアテマラ両政府はトランプ氏の強い意向を受け、不法移民抑制に向けた仕組みを検討していた。米メキシコ国境付近で拘束される不法移民の大半は中米出身者で、米の難民申請を希望するエルサルバドル、ホンジュラス出身の移民が、グアテマラに待機する案が成立すれば、不法移民抑制に相当な効果が期待できるはずだった。

一方、グアテマラは貧困率や犯罪発生率も高いうえ、米国を目指す移民も多く、そもそも難民申請者が安全に滞在する場所には適しないとの意見も根強い。それでもグアテマラ政府は米国との関係や経済的支援の期待などから、移民の待機受け入れに動いていたとみられる。

グアテマラはモラレス氏の任期満了に伴う大統領選の決選投票を8月11日に実施する。現地からの報道によると、決選投票に残った2人の候補はともに移民の待機受け入れにつながる協定には反対の姿勢を示している。グアテマラが移民の待機受け入れに転ずる可能性は少なくなっている。

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