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前駐米英大使また公電漏洩 トランプ氏の核合意離脱巡り

ロンドン警視庁が捜査着手

【ロンドン=中島裕介】トランプ米大統領から強い批判を浴びたダロック前駐米英国大使の公電漏洩問題が収まらない。英紙メール・オン・サンデーは14日、ダロック氏の公電を再び暴露し、トランプ政権がイランの核合意から離脱したのはオバマ前大統領への反感が原因だと、本国に伝えたと報じた。相次ぐ情報のリークは公益に反する疑いがあるとしてロンドン警視庁が捜査に着手するなど、騒動が収束する兆しは見えていない。

ダロック氏は英国に送ったメールや報告で、トランプ政権を「無能だ」などと酷評したと報じられた。トランプ氏の強い反発を招き、10日に「職務を続けられない」として辞任している。

今回、英紙が報じたイランの核合意を巡る公電は、次期首相争いで優位に立つ当時のジョンソン外相が、2018年に米国に核合意に残るよう訴えた後、同氏に送ったメモとされる。

その中でダロック氏は「トランプ氏が核合意を破棄するのは、オバマ前大統領が承認したものだという『個人的な理由』からだ」と指摘した。「トランプ氏の側近の間でも意見は分かれており、どう核合意の離脱を進めるか戦略を持っていなかった」とも伝えた。

さらに「トランプ政権は外交的な破壊行為を進めている」と述べたうえで「欧州や他の地域の友好国に相談する計画もない」と分析したという。

今回もトランプ政権を批判するメモが漏れたが、内容そのものに大きな驚きがあるとはいえない。ただ足元で存続の危機を迎えている核合意に関わる漏洩だけに、イランの態度を硬化させるなど米英関係を超えて影響が出かねない。

ロンドン警視庁は1回目のリークの後に「刑事事件になる可能性がある」として公電の漏洩に関する捜査に着手していた。そこでさらなる漏洩が続いたことに、英国内で衝撃が走っている。英BBCによると、ロンドン警視庁は新たな漏洩に対し「公共の利益に反しており、記者は犯罪に当たる可能性がある」とのコメントを出した。

ただ米国が核合意という国際的な枠組みを離脱した経緯が判明する可能性がある報道に「公益性は高い」との指摘も相次いでいる。保守党党首選を戦うジョンソン氏とハント氏は、1回目の漏洩の後にロンドン警視庁の対応を批判し、「報道する権利を守る」(ハント氏)と主張した。前駐米大使の公電を巡る騒動は「情報漏洩を防ぐ公益性」と「報道の自由」のバランスをどう取るかといった問題にまで波及している。

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