精神科の拘束で地域差20倍 東高西低、杏林大が調査 「必要ない可能性」

2019/7/14 17:43
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精神科病院で入院患者のうち手足をベッドにくくりつけられるなど身体拘束された人の割合は、東日本で高く西日本は低い傾向にあり、都道府県別では最大20倍の開きがあることが14日、分かった。調査した杏林大の長谷川利夫教授(精神医療)は「不要な拘束が行われている可能性がある」として実態を調べるべきだと話している。

厚生労働省が6月末に公表した2018年度の精神保健福祉資料をもとに、都道府県ごとの入院患者のうち拘束された人の割合を分析した。最高は埼玉の9.04%。千葉(8.27%)、北海道(7.74%)、神奈川(7.70%)と東日本が上位に並んだ。

最も低いのは香川の0.44%、次いで岡山(0.86%)、宮崎(1.13%)、和歌山(1.26%)。全国平均は4.05%で、埼玉と香川では約20倍の開きがあった。18年度に全国で身体拘束された人数は1万1362人で、17年度より1166人減少した。

精神保健福祉法では、指定医がほかに方法がないと判断した場合にのみ拘束が認められている。患者団体などは「実際には人手不足などを理由に安易に行われ、人権侵害の恐れがある」と指摘している。

東西の違いについて長谷川教授は「理由は分からない」としながらも「入院患者の拘束は必ずしも必要ではない。精神科の入院の在り方を見直す契機としてほしい」としている。

一方、最も拘束率が高かった埼玉県内の精神科医からは「西日本は病床数が多く軽度な人も入院しているため、計算上比率が低く出ているのではないか。人口当たりの拘束率は東西で変わらないはずだ」との意見も出ている。〔共同〕

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