ハレプが女子シングルス初優勝、ウィンブルドン
【ウィンブルドン=原真子】テニスの四大大会第3戦、ウィンブルドン選手権第12日は13日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで女子シングルス決勝を行い、第7シードで昨季全仏女王のシモナ・ハレプ(ルーマニア)が第11シードのセリーナ・ウィリアムズ(米国)に6-2、6-2で勝ち、初優勝を果たした。ウィンブルドンでルーマニア勢のシングルス制覇は男女を通じて初めて。
27歳のハレプは四大大会で2勝目で、優勝賞金235万ポンド(約3億2千万円)を獲得した。
37歳のS・ウィリアムズは8度目の優勝と、マーガレット・コート(オーストラリア)に並ぶ四大大会歴代最多となる24勝目を逃した。
これまでの対戦成績は1勝9敗、ハレプ優勝を予想する声は皆無に近かった。ただ今大会のハレプはフットワークが一層さえ、168センチの小さな体全体を使ったストロークが深く決まり、展開力で相手をズタズタにしていた。
セリーナの強烈なサーブ、伸びのあるショットにも、ハレプは軽々と追いついただけでなく、エースを決めてしまう。ラリーで振り回し、セリーナから26本の凡ミスを引き出した一方、自身は3本。「シモナに脱帽。何をやってもダメだった」とセリーナに言わしめた56分の完勝だった。
「間違いなく今までのベストゲーム。きょうは自分に集中していた。スコアも見なかった」とハレプ。優勝者に与えられるオールイングランド・クラブの会員証を胸につけて現れ、「今大会前、『私の夢はここの会員になること』ってロッカールームで雑談してたけれど、まさかね」と喜ぶ。
それほど芝のコートに縁を感じていなかった。母国ルーマニアは赤土のコートが主流。「芝のコートすらないから、プレーがイメージできない。私は背も高くないし、ビッグサーブもない。ウィンブルドンを勝てると思わなかった」と笑う。ただ少しでも慣れようと毎年、努力はしていた。「今年は日に日に芝でのプレーの感触がよくなり、自信がついていった」
観客席のロイヤルボックスには、「ぜひ、試合をみてほしい」と話していたキャサリン妃の姿も。試合後には直に祝福を受けた。「ロイヤルボックスを見たとき特別なパワーをもらったし、お話もさせていただいて忘れられない思い出」。夢のような2週間が終わった。