一獲千金ならぬ「一発千金」を狙うえりすぐりの打者たちに触発されたのか、「自分も初球からいってやろうと思っていた」と全セの1番近本。一回、そうはさせじと全パ先発の山岡が投じた初球の117キロにタイミングを外され、空振り。
格の違いが出た、と思わせた直後だった。「緩」の後の「急」で揺さぶりにきた山岡の147キロを流し打つと、打球は左中間の深部へ。全セでは2001年の高橋由伸(元巨人)以来の先頭打者本塁打になった。
二回は一塁線を抜く二塁打、三回にも安打を放ち、ともに2番高橋の適時打で生還。球宴初出場で3安打なら上出来だが、勢いは止まらない。五回に左中間二塁打、そして七回は左越えに適時三塁打。レギュラーシーズンでも未経験の1試合5安打に、1992年の古田敦也(元ヤクルト)以来2人目の球宴でのサイクル安打。「(最後の打席は)何としても打球を上げようと思っていた」と、貪欲に狙っての快挙達成だった。
昨秋のドラフト会議で阪神は藤原(現ロッテ)をくじで外し、辰己も抽選の末、楽天にさらわれた。三度目の正直で縁を結べたのが近本だった。「外れの外れ」のドラフト1位で始まったプロ生活だが、阪神での「1番・中堅」定着に、この日の大活躍。盗塁を決めた第1戦を含め、この2日間を「百点じゃないですか」と振り返った24歳。今やれっきとした「ドラ1」の看板を背に出世レースを快走中だ。
二回には原口、梅野の連続アーチが飛び出し、先発した阪神3人衆が本塁打でそろい踏み。地元甲子園のファンにとってこの上ない夏の夜の夢となった。
(合六謙二)
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