2019年8月20日(火)

英、ペルシャ湾に艦艇を追加派遣 船舶護衛を強化

イラン緊迫
2019/7/12 23:04
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【ロンドン=中島裕介】英政府はイラン情勢を巡って緊張が続くペルシャ湾に新たな艦艇1隻を追加派遣する方針を固めた。同国の石油タンカーが10日、イランの船舶に進路を妨害されたと発表しており、英船舶の航行の護衛の強化が必要と判断した。すでにペルシャ湾にフリゲート艦を派遣しており、新たに派遣される駆逐艦とともに臨時的に2隻体制を敷く。

イラン産とみられる原油をシリアに輸送しようとして拿捕された大型タンカーと英海軍艦船=ロイター

イラン産とみられる原油をシリアに輸送しようとして拿捕された大型タンカーと英海軍艦船=ロイター

核合意を巡って米国とイランの偶発的な衝突が懸念されるなか、新たな英艦艇の派遣はイラン情勢の緊張をより高める危険性もある。

国防省によると駆逐艦ダンカンは来週にもペルシャ湾に到着する。英政府の報道官は駆逐艦の派遣の本来の目的を、1隻目のフリゲート艦が今年後半に「乗組員の入れ替えや保守点検に入るため」と説明する。だが駆逐艦を早めに派遣することで、一時的にせよ2隻で英タンカーの護衛などにあたることになる。今回の派遣で「重要な海域を通過する船舶の航行の自由を引き続き支援できる」ともコメントした。

英イラン関係はこのところ急速に悪化している。4日には英領ジブラルタル自治政府が、欧州連合(EU)の対シリア制裁に違反する疑いがあるとしてイランのタンカーを拿捕(だほ)した。イランは反発しており、10日のイラン船舶による英石油タンカーへの妨害は、拿捕を試みた報復との見方もある。イラン側は「外国船舶との接触はなかった」と一連の行為を否定している。

11日にはジブラルタル警察がイランのタンカーの船長らを逮捕した。タンカーの抑留も続く見通しで、英イラン関係の改善はしばらく見込めそうにない。

イランは核合意を離脱して経済制裁を強める米国に反発し、ウランの濃縮度を引き上げるなど合意に背く挑発行為を取り始めている。本来、英独仏など欧州は中東地域の安定のために核合意を守りたい立場だった。だが英イランの関係悪化が進めば、核合意を巡るイラン情勢の危機はさらにエスカレートしかねない。

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