2019年8月23日(金)

清水港、飛躍の契機に 開港120周年祭 にぎわい創出

2019/7/13 15:20
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清水港の開港120周年を記念した「開港祭」が13~15日、静岡市の清水港湾地区で開かれる。輸出港として始まり、時代に応じて姿を変えてきた同港。会場ではシンポジウムや各種展示・イベントを実施。市や地元企業などは港を核とした街づくりを加速させる考えだ。開港祭をいかに今後の産業振興やにぎわいづくりにつなげるかが課題になる。

「今年の開港祭は特別だ。清水の夏を楽しんでもらいたい」。静岡市の田辺信宏市長は12日の記者会見で期待を込めた。開港祭はJR清水駅周辺の「江尻会場」と、フェリー乗り場や日の出埠頭などがある「日の出会場」の2会場で実施、集客イベントが目白押しだ。江尻会場はマグロの解体ショーや模擬セリ、酒蔵や缶詰を集めた「缶詰バー&酒蔵フェス」などで来場者を呼び込む。

日の出会場では自動運転カートや燃料電池バスなどに乗って将来の移動手段を体感できる「次世代モビリティ見本市」を開催。地元バスケットボールチームの試合や音楽ライブなどの催しもあり雰囲気を盛り上げる。

一方で、港の未来を議論し、考える場もある。江尻会場ではシンポジウムを開催、港を取り巻く現状や課題について理解を深めてもらう。

開港祭に合わせ、海の日にちなんだ「海フェスタ」(13日~8月4日)も同時開催、3連休中は練習帆船の乗船体験ができる。開港祭は3日間で10万人の来場を見込む。

清水港は1899年8月4日に開港。国際航路網が充実し、次第に輸出用缶詰などの地場産業が育まれた。高度経済成長期には県内外の様々な貨物を扱う総合港湾の座を確かなものとした。ただ製造業の海外移転などを背景に、輸出額は2008年のリーマン・ショック前の水準を回復できていないのが現状だ。

こうしたなか、清水に活気を取り戻そうという取り組みが効果を上げつつある。1つがクルーズ船だ。18年の寄港回数は32回と、16年に比べ2倍に伸びている。国際クルーズ船運営大手、ゲンティン香港による旅客ターミナル整備(20年完成)も弾みをつけそうだ。

清水駅前の商店街に人を呼び込もうと始まった「富士山コスプレ世界大会」は19年11月で7回目を数える。駿河湾の豊富な海洋資源を活用し、バイオテクノロジーによって新産業を創出しようとする動きも出ている。

力強さに欠ける物流も伸びしろはある。中部横断自動車道が20年中に静岡と山梨を結ぶ全線で開通し、清水港の「後背地」が拡大するからだ。人手不足を背景にトラック輸送の一部を船舶に切り替える「モーダルシフト」の流れも追い風となる。鈴与など地元物流4社が共同で、物流基地を20年に建設するなど民間投資も徐々に回復しつつある。

地元は開港祭でこうした流れに弾みをつけることを目指しており、清水港開港120周年記念事業実行委員会の担当者は「祭が3日間のイベントとして一過性で終わっては意味がない」と語る。開港120周年という節目は物流から観光、新産業まで、清水港の持つ多彩な側面を一体的に見つめ直す良い機会となる。

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