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ミュージシャン夫婦の働き方改革

毎週末、全国各地でロックフェスが開かれるシーズンがやってきた。ミュージシャンにとっては一番のかき入れ時なのに「今年は平日しかライブをしません」とフェス出演に背を向け、週末を家族で過ごす選択をした2人がいる。2001年にデビューし、フォークやカントリーなどをルーツにした音楽性で人気の夫婦デュオ、ハンバート ハンバートだ。

ライブ中のトークも面白いと定評のある佐野(左)と佐藤

「土日は子どもたちと海へ行ったり、今までできなかったことをやりたい」とほほ笑むのは佐野遊穂。3人の男の子を育てながら長期の休止はせずに、音楽活動を続けてきた。佐藤良成も「一番下の子がまだ5歳なので、子どもたちだけ家に残しておくわけにはいかない。フェスはまず土日開催、週末は単独ライブも多いから、今まで家を空けるときは親や友人に子どもの面倒を見てもらってきた」と振り返る。

今回の決断はスタッフの意向や、世間の働き方改革が後押しになったという。「フェスで同世代のミュージシャンと一緒になると、子どもの運動会にも出られない、という話になる。だったら今年は週末を休んでみようかと。来年以降は元に戻すので実験みたいなもの」と佐野。「平日に仕事を終わらせないといけないので、今までより時間を意識するようになった」と話す。

初のライブ盤となるアルバム「WORK」が出たばかり。東京・名古屋・大阪のライブツアーからバラードを中心に選曲した。「ライブ盤は熱気はあるが、聴きづらいものも多い。ライブだけれど、スタジオ録音のように繰り返し聴ける盤を目指した」と佐藤。クリアで透明感のある音質はライブとは思えないほど。

以前はフォークとひとくくりにされることに抵抗や反発があったという。「10年くらい前はライブで『癒やされました』と言われると「癒やしてねえよ」と怒っていたくらい」。5年ほど前、細野晴臣のライブに出演したのをきっかけに、葛藤は薄れていった。「フォークは着慣れた服みたいなもの。年齢を重ねた今は自信を持って演奏できる」と明かす。

(多田明)

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