2019年7月21日(日)

ハンセン病家族訴訟判決に反論する政府声明要旨

政治
2019/7/12 14:14
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ハンセン病家族訴訟の熊本地裁判決に反論する政府声明の要旨は次の通り。

政府は熊本地裁での国家賠償請求訴訟判決に、控訴しない異例の判断をした。判決には国家賠償法や民法の解釈の根幹に関わる法律上の問題点がある。

1、厚生大臣(厚生労働大臣)、法務大臣、文部大臣(文部科学大臣)の責任

熊本地裁の2001年5月11日の判決は、厚生大臣の偏見差別を除去する措置を講じるなどの義務違反の違法は1996年のらい予防法廃止で終了するとした。この判決と齟齬があり、受け入れられない。

偏見や差別除去のための方策は、患者らの実情に応じて柔軟に対応すべきだ。政策的裁量を極端に狭く捉えており、適切な行政の執行に支障を来す。人権啓発および教育は公益上の見地に立って行うもので、個々人との関係で国賠法の法的義務を負うものではない。

2、国会議員の責任

最高裁判例によると、国会議員の立法不作為が国賠法上違法となるのは、憲法違反が明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期間、改廃などの立法措置を怠る場合に限られる。本判決は、この判例に該当するとまで言えない。司法が法令の違憲審査権を超え、国会議員の活動を過度に制約することになり、認められない。

3、消滅時効

民法は損害賠償請求権の消滅時効の起算点を、被害者が損害および加害者を知った時としている。本判決では特定の判決後、弁護士から指摘を受けて初めて、消滅時効の進行が開始するとした。民法の趣旨と最高裁判例に反し、国民の権利・義務関係への影響が大きい。法律論としてゆるがせにすることができない。〔共同〕

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