2019年8月20日(火)

「DXは摩擦を取り除くもの」ニチガス和田社長

BP速報
2019/7/12 14:09
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「デジタルトランスフォーメーション(デジタル変革、DX)の本質は、お金やデータの通り道、業務フローからこれまであった摩擦を取り除くものだ」。日本瓦斯(ニチガス)の和田眞治社長は11日、「IT Japan 2019」(日経BP主催)の特別講演に登壇し持論を語った。

IT Japan 2019で講演するニチガスの和田眞治社長(写真:井上裕康)

IT Japan 2019で講演するニチガスの和田眞治社長(写真:井上裕康)

和田社長は、DXによって企業や人の働き方がどう変わるのかについて、自社の取り組みを踏まえて話した。ニチガスはエネルギー業界に特化した業務クラウド「雲の宇宙船」を開発し、基幹系システムとして活用してきた。

雲の宇宙船はスマートフォンやセンサーなどのデータを収集して管理する仕組みや、収集したデータを活用するアプリケーションの開発実行基盤を備える。基盤技術としてブロックチェーン(分散型台帳)やデータ連携技術の「X-Road(クロスロード)」などを採用している。

雲の宇宙船は自社だけでなく外部システムと連携しやすくなるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を用意して他社にも提供している。「異業種連携が進み、ビットコインでガス料金を支払ったり、宅配水や動画配信などのサービスと組み合わせてガスを利用したりすると料金が値引きされるようにしている」と和田社長は取り組みを説明する。このほか東京電力グループと連携して、ガス小売事業に新規参入する企業に事業運営基盤としてのシステムを提供するサービスも展開している。既に20社以上が利用しているという。

今後は本社などでの管理業務にもDXを適用していく。和田社長は「(定型業務を自動化する)RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などを適用して労働生産性を改善していく」と話す。その日の仕事が午前中で終わるものの、収入は従来通り担保されるといった働き方改革ができれば、「社員は余った時間で介護をしたり、スキルアップをしたりできる。ひいては人間の価値を重視する社会になるのではないか」とみる。

講演の最後、和田社長はDXを進めていくうえでのポイントを「DXがなぜPoC(概念実証)で終わるのか」という観点を踏まえて示した。「経営トップの強い意志」「基幹系システム再構築の覚悟」「DX組織の再構築」などを挙げた。

和田社長は「これからの基幹系システムは法律を順守しながらも市場の変化や地域社会、個人のニーズに応じて改良し続けていくことになる。そのためにも企業1社が単独で基幹系システムを維持していくのは合理的でない。だからこそオープンにして多くの企業で共有分担していく必要がある」と締めくくった。

(日経 xTECH/日経コンピュータ 西村崇)

[日経 xTECH 2019年7月11日掲載]

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