NY株最高値、初の2万7000ドル台 利下げに期待
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【ニューヨーク=大島有美子】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は過去最高値を更新し、前日比227ドル88セント(0.85%)高の2万7088ドル08セントで取引を終えた。ダウ平均が2万7000ドル台に乗るのは初めて。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が議会証言で利下げを示唆したことで市場の期待が高まり、株式への買いが膨らんだ。
パウエル氏は10日、米下院での議会証言で「より緩和的な金融政策の必要性が高まっている」と述べ、利下げを示唆した。11日は上院で証言し、「2%の物価上昇率を大きく下回りたくない」と述べ、早期の利下げに改めて意欲をみせた。
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米労働省が11日朝に発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で1.6%上昇した。伸び率は前月から0.2ポイント縮小し、2カ月連続で2%を下回った。FRBが金融政策の判断で重視する個人消費支出(PCE)物価指数も目標の2%を下回っており、市場では「FRBは30~31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で10年半ぶりの利下げに踏み切る」との観測が広がっている。
ダウ平均は3日、終値で約9カ月ぶりに過去最高値を更新し、2万6966ドルをつけた。その後は利益確定の売りに押されたが、利下げ期待による新規の買いが旺盛となり、5営業日ぶりに最高値を更新した。