2019年7月20日(土)

[NAR寄稿]インドはファーウェイ排除すべきでない

南西ア・オセアニア
アジアBiz
2019/7/11 20:47
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トランプ米政権は敵国にも友好国にも中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)との取引を停止し、次世代通信規格「5G」で同社の機器を使わないよう警告している。インドは米国の要求を拒否すべきだ。

Ritesh Kumar Singh

ファーウェイ排除に協力すれば世界貿易機関(WTO)が掲げる「内国民待遇」原則に反する。インドは外国企業を国内企業と同等に扱うこの原則を強く支持してきた。インド政府はWTOを裏切るべきではない。

バルティ・エアテルやボーダフォン・アイデアなどインド通信大手は安価な5G携帯サービスを提供するために投資額をできるだけ抑えたい。ファーウェイの5G通信機器は高性能なうえ、フィンランドのノキアやスウェーデンのエリクソン製機器より10~15%安い。

トランプ米大統領は信頼できず、予測可能な相手でないのは明白だ。米国はインドに対する一般特恵関税制度(GSP)の適用を6月5日に終了し、インドの輸出企業に打撃を与えた。

トランプ大統領が不法移民の流入でメキシコに追加関税を課すと脅したのは米国とメキシコ、カナダの3カ国が北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉で妥結したわずか数カ月後だった。大統領のツイートで合意が覆されるのなら政府高官との交渉は無駄だ。

米国に完全に同意している国は英国を含め欧州には一カ国もない。緊密な同盟国でさえ米国の懸念は安全保障ではなく、中国との貿易戦争やハイテク覇権争いではないかと疑い、二つの問題は切り離して考えるべきだと考えている。インドも同じ見方をすべきだ。

インドはファーウェイがドイツや英国などに申し出ている「スパイ防止協定」をインドとも結ぶよう求めるべきだ。こうした実利的で柔軟なアプローチは、全面禁止よりも有効となるだろう。

Ritesh Kumar Singh

インドノミクス・コンサルティングのチーフエコノミスト。インド財政委員会の元メンバー

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